グレートマザーとは

先日、大阪の動物園でミーアキャットが脱走する事件が起きた。

最初はすぐに捕獲できると思われたのだが、どこへ逃げたか一向に見つからず、猛暑の中「もうだめか？」と諦めかけた矢先、何とこの度３週間ぶりに園内の側溝で見つかり、無事保護された。


実はこのミーアキャット。後ろの２本足と尾で立つ愛らしくユニークな姿が有名だが、れっきとしたマングース科の肉食動物である。

無事帰って来たご褒美に　大好物の馬肉（(；ﾟДﾟ)マジっすか？私も２年食べていないのに）が振舞われたというが、「めでたしめでたし」で終わるかと思いきや、現在新たな問題で飼育員さん達を悩ませているという。




ミーアキャットは家族中心に群れて生活する習性があり、脱走したシオンくんも５人家族だった。

発見後、体力が回復したのち家族の中に戻されたわけだが、何とお母さんのリョウコが怒って戻らせてくれないのだ。


父のポルコ他弟妹達はウエルカムなのに、リョウコだけが激しく威嚇を繰り返し、とうとうシオンくんも牙を剥いて警戒態勢に入ってしまった。


と、ここでなぜ私がこんなにミーアキャットに思い入れが？と言うと・・・


２歳の時、パンダで有名なアドベンチャーワールドへ旅行に連れて行ってもらったのだが、ふれあい広場でミーアキャットの軍団に囲まれ、死にかけた（気分は）記憶があるのだ。

ちょうどウサギにエサをやろうと前方に夢中になっており、背後のミーアキャットに気づかなかったため、危うく踏みそうになり、激しく威嚇されてしまった。

大号泣し、やっと落ち着いたら今度はリスザルに飛びかかられ、もう散々だった。

私の中でミーアキャットは　とても印象深い動物になっていたため、毎日この子のニュースを気にしていたのだが、見つかってホッとした矢先、この新事実を知ったのである。



一説によると、ミーアキャットは人間以外の哺乳類で初めて「教育」が出来る動物であることが確認されている。

サソリの耐性を持ちサソリが大好物なため、親は一人前のサソリハンターに育てるために、次から次へと子供に試練を与えるらしい。

今回の脱走劇も、以前からリョウコが長男のシオンくんを威嚇しているところを何度も目撃されていることから、もしかすると母親の野生の勘で、しつけをしていたのではないかと推察される。

事実、シオンくんは３週間の間、自力でミミズや昆虫を捕食して命を繋いでいたことが、糞から証明されている。

リョウコはグレートマザーなのか、虐待母なのか、続報が待たれるところだ。



さて話は馬に代わるが、グレートマザーで連想するのが歴代の名牝たちの存在だ。

私は競馬歴が短いため、名牝と呼ばれる母馬たちの現役時代を知らない。

皆さんの話の中にはよく血統が登場するが、私にとって一番身近な母馬はキタサンブラックの母「シュガーハート」という、デビューも出来なかった超マイナーマザーである（笑）

しかし、先日ヤナガワ牧場の取材でシュガーハートが登場し、「非常に子育て熱心な馬」と紹介されていた。

ここからはド素人の戯言だと受け流していただきたいのだが、人間の場合、高学歴や名家の奥様の子女が、みな優秀かと言えばそうではない。

期待や重圧が強すぎたり世間体を気にしたりで伸び悩んだりするのはよくあることである。

反面、学歴などなくても愛情深く懐の深い母親から、立派な子が世に出たりする。

とすれば、シュガーハートさんは自信をもっていいのではないか？


また馬の場合、母というより母父という、素人からすれば？？？な馬の存在が重要と言う。

少し調べてみたら、現在休業中の角居調教師が「名牝から名馬は産まれないのか」ということについて考察していた。

何でも四半世紀前までは薬品の規制がなく、牝馬を強く走らせるために男性ホルモンを投与していたというのだ。

その負の因果で、強い牝馬が繁殖に上がっても、薬剤の影響を受けた仔が生まれてしまっていたのでは？といったセンセーショナルな内容だった。


私もこれから競馬を長く続けて行けば、きっといろんな名牝に出会い、その子供たちを応援することになるだろう。

その時、どんな真実を見るだろうか？

差し当たっては、私がかろうじて名前を覚えた名牝サラフィナの仔、ジェニアルのフランスでの次走を期待せずにはいられない。



画像2は UMAJO SPOTで頂ける 競馬のイロハを説いた冊子です(笑)

馬の見方、マークシートの書き方まで書いてあります。