ゴキブリを食べた男達

救急車のけたたましいサイレンとともに、その男達は続々と運ばれて来ました。

5歳・4歳・2歳…搬送理由は誤飲疑いー


これは先日 災害拠点病院でお手伝いをした時のお話です。


「ゴキブリを舐めた？」いや「ゴキブリの餌を食べた？」いやいや「ゴキブリを食べた？」

なんじゃそりゃーーーー((((；ﾟДﾟ)))))))


ピーナッツを鼻に詰めた…は聞いたことがある

一円玉を鼻に詰めた…これは友達の話σ(^_^;)

しかし ゴキブリを食べるとは…


取り乱す両親に大泣きの子供達。

すったもんだの胃洗浄の末に 出て来ましたよ。大量の生理食塩水の中 長男からはゴキちゃんの足、次男からは本体丸ごと。

ただ三男からは何も出て来ません。

長男の供述によると「リョータ(弟)は餌を食べてる」と。

もし事実なら一大事。

ゴキブリはすぐに吐けば大丈夫ですが、餌は種類によっては毒性の高いものもあります。

13Kgの小さな身体に 殺傷能力の高い物質が入ったら ひとたまりもないでしょう。


ところがリョータは処置中 大暴れで抵抗し、元気いっぱいです。

おまけに日本語は今一σ(^_^;)

食べてるんだか食べてないんだか…

いくら聞いてもU+669( U+141B )U+648。


そこで3人の処置が一通り終わり、少し落ち着きを取り戻した母親に、難解なリョータ語をゆっくり通訳して貰いました。

すると、どうやら「ゴキブリのおうちのネバネバを舐めたヨ」とのことでした。


調べてみると、このゴキブリホイホイの中身は 魚粉・穀物・糖類で出来た食品成分なので毒性はありません。

いわゆる誘引剤というやつで、ゴキブリの好きな匂いで引き寄せる商品でした。

これがホウ酸ダンゴとかなら、量によっては危険を伴うこともあるのですが、不幸中の幸いー「ゴキブリホイホイで良かったね〜」と胸を撫で下ろした次第です(〃ω〃)



さて、何故こんなことになったのかと言うと…


被災地は 水が引いた後、生活害虫がたくさん出ました。

大人が片付けに追われる中、子供達は 毎日思い思いに遊んでいたわけですが、そんな中、虫嫌いな長男と昆虫好きの次男が「どっちが強い？」対決をすることになったようです。

「じゃあこれ食べれるか？」

「食べれるもん♪( ´θ｀)」




…お子様ってヤツはもぉ:(；ﾞﾟ'ωﾟ'):


まだ2ちゃいで「弱っちい」リョータだけが争いには加わらず、横で 指を吸いながら見ていたのでした(*´∇｀*)



「アホかーー！ヽ(￣д￣;)ノ=3=3=3」

詳しい事情がわかってお父さんの怒号が響き渡りましたが、そのあと子供達は 両親の腕にしっかり抱かれて 安心してバイバイをしながら帰って行きました(#^.^#)


それにしても 男って そこまでして一番強くありたいのか、ちょっとアホなのか…

三兄弟だからなのか？…

木幡三兄弟、亀田三兄弟、三びきのこぶたが ふと脳裏に浮かびました(笑)





ゴキブリ…女姉妹は絶対食べませんけどね(笑)

世界にはゴキブリを食べる民族がいないわけではないようで。

もしかしたら 女芸人温泉同好会でなら ゲテモノレポートがいつか見られるかもしれませんね♪