Flowers For Sabogernon　Part1

「コーヒ買ってくるけど何がいい？」
「じゃ、ムトゥ（無糖）で！」

オマエは『踊るマハラジャ』かっ！？

そんなアイツも来年４０
自分のアソコに『サボジャーノン』という愛称をつけて
毎晩可愛がる寂しがりやさんだ

「今夜は久しぶりにサオリのとこにイクっス」

サオリのとこ『に』じゃなくて
サオリのとこ『で』の間違いだろっ！

東上線と〇わ台駅前の「ピンクのカーテ〇」はアイツの憩いの場
今夜は薄給を握りしめて、そして握りしめられイクのだろう

アイツと出会ったのは１０年ほど前
今の会社にバイトで入った俺は、すでにバイト歴８年のバイトリーダー「佐保川」に出会った

「俺、佐保川っス！みんなはサボちゃんって呼びます」

すぐに気づいたが「佐保川」の「サボ」ではなく
仕事を「サボる」から「サボちゃん」
しかも若干、思考回路が鈍い

「おいっ、サボちゃん　倉庫に石の在庫が１００あるから８０残しで、あとは全部配達しといてくれ」

上司の命令には瞬足で対応が必須だが、サボちゃんはこんな時に決まって固まってしまう

「１００?８０＝２０」が出来ない
８０にいくつ足すと１００になるのか？
そういう考え方なのだ

「８１、８２、８３…」
指を使い１００まで数えて「２０配達するっス」となる

それからすぐに社員になり他店へ移動した俺は
しばらく「サボちゃん」と疎遠になったのだが…