『花見』だぜ!!『嘔吐』しようぜッ!!

『カノン、アンタ痔？』
そんなことを聞くのは、新人バイトの『アキコ』

「明日から矢田アキコ似のバイトが来るって
　面接官たちが話してたぜ！」
「マジッ!?すげーファンなんだけどぉ?」

そして、やって来たのは『和田アキコ』似のオバサン

「カノンちゃん、よろしくネ！」
俺はおばさん『アキコ』の教育担当を任された

俺も実は数か月前から始めた新人なのだが
この業界では以前に社員経験もあり、それなりに年齢もいってる為か
なにかと重宝されているのだ!!

仕事は簡単！
『チラシ』を『ポスト』に入れるだけ!!

カッコよく言えば『ポスティンガー』
だけど世間からは『ビラ配り』と呼ばれてる

報酬は少ないが、シフトの自由さと気楽さが好きで
最近になって副業として始めたのだ

ここに来るヤツは俺も含め『訳あり』が多い
『アキコ』もそうなのだろう…

俺は『アキコ』の為に
俺の持つすべての技を伝授することにした！

『痔なんでそんなこと聞くんだい？』
夜は「肛門エステ」で働いてるから、仕事を教えてくれたお礼に施術したい

俺は教えてもらった店に向かう途中
花見で賑わう公園で足を止めた

俺も『アキコ』も今年は花見が出来なかったが
来年は花見が出来るような暮らしになっているのだろうか…

俺たちは『機械以上、人間以下』の仕事と暮らしを強いられているが
それもいつかは終わるのだろうか…

長いトンネルを抜けると
　　そこはまた長いトンネルだった

暗いトンネルを抜けると
　　そこはまた暗いトンネルだった


　　　　　ずっと…
　　　　　　　
　　　　　　　　　このまま…


　　　　　　　　　　　　　　『闇』のなか…



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　…なのかい？













今日は絶好の『花見』日和だぜ！
飲みまくって『嘔吐しよう』ぜッ



◎　カノン、アンタ痔？