34件のひとこと日記があります。
2018/09/23 12:47
瓦礫に火がついて燃え始めているところもありました。
幸い、私のいた場所の近くには、火は出ていませんでしたが、急いでその場を離れました。
目の前には、異様な光景が広がっていました。
まだ、午前中なのに、当たりは薄暗くなり、
くしゃくしゃに髪を振り乱した人
引き裂かれたような衣服を身にまとった人
半裸の状態の人
異様な姿をした人たちがウロウロと逃げまどっているのです。
「とにかく、家に帰らなくては」
と、江波の方向を探しているうちに、物凄い勢いで火の手が迫ってきました。
炎の勢いは驚く程早く、
今にも飲み込まれそうです。
ジリジリと体が焦げていく感覚を振り払うように、
私は泣きながら土手を走りました。
無我夢中で走り、吉島刑務所の塀まで来て、やっと火の手から逃れる事が出来ました。
またしても厚い壁に助けられたのです。
「おーい、江波に帰る者はおらんかぁ」
突然、
大きな声が聞こえました。見ると顔見知りのおじさんが、江波から救助に来た船で叫んでいたのです。
知り合いに会えたことにホッとして私は再び泣きながら船に駆け込みました。(恵美ちゃんの手記ヨリ)