34件のひとこと日記があります。
2018/10/01 15:46
恵美ちゃんの手記:満身創痍にこの苦しみは誰にも味逢わせたくない!
その夜は、一晩中、街が燃える炎で昼間のような明るさでした。
大八車やリヤカーが通る音、被爆者の鳴き声やうめき声、子供が親を、親が子を、死に物狂いになって捜す声が、
ひっきりなしに朝まで聞こえていました。
翌7日の朝、兵隊さんがトラックでおむすびを運んで来てくれたので、それを食べ、壊れて流れっ放しになっている蛇口から水をのみました。
「お父さんや親戚、親しくしていた人達はどうしただろう」 と思いながらも何もできず、私たちは途方に暮れていました。
ですから、呉から伯父たちが船を雇って、私たちを探しに来てくれたときは、一筋の光を見る思いでした。
「広島に新型爆弾が落ちたと聞いて、すぐに迎えに来たけれど道路が寸断されて江波までたどり着けんかったけぇ、船を頼んできたんじゃ」 と伯父が言い、
私たちはすぐに船に乗り込みました。
本川から海へでるまでは、川に浮いている幾つもの死体にゴツンゴツンとぶつかって、船はなかなか前に進みません。私は震えるような気持ちで船に揺られていました。 ツヅクオジノイエニ