GWハマスタ巨人3連戦を観戦して１

ＧvsＷだった頃の30数年前、
小学生だった僕は、年に何回か父親に
ハマスタへ連れて行って貰う事が
サイコーの楽しみであり、
贅沢なひと時だった。
勝とうが負けようが関係なかった。
ただひたすらに大声で大好きな
大洋ホエールズを応援した。
父親に、順位表は逆さに読め、
と言われていたので、強弱なんて
気にした事もなかった。
だから子供の頃のハマスタの
僕の思い出は、ひたすらに美しい。
しかし、ただひとつを除いて。

そのひとつだけ苦いハマスタの思い出は、
父が無理をして手に入れた巨人戦、
1塁側内野席での消えない記憶だ。
僕は外野席で十分だったのだが、
たまにはと父が奮発してくれた。
親子で最上の思い出を作るはずの時間は、
1塁側内野席に陣取った
ジャイアンツファンのオジ様方によって、
苦痛でしかない3時間に変えられた。
当時の僕にマイノリティーを
力に変える術はなく、
自分を場違いな立場なのだと
思うしかなかった。
試合展開もそうさせた。
巨人は強い。大洋は弱い。
周りのオジ様方によって思い知らされた、
目を背け続けていた現実。

優勝争い真っ只中の巨人と
定位置まっしぐらの大洋の
夏休みナイター。今思えば、
ファンの熱に差があるであろうが、
当時の僕にそんなもの理解出来ない。
何しろ順位表は
逆さに読んでいたのだから。
その時から僕は巨人が嫌いになった。
そしてそのファンも・・・

そして勝ちたい、
強くなりたいと思った、夏の思い出。

それから30数年後の2018年5月5日、
ハマスタの3塁側内野席に
ひとり静かに座る僕の頬を涙が伝う。
こんな真っ青なハマスタに
オヤジと来れれば良かったなぁ。

続く