国吉佑樹のマウンド

国吉佑樹の投球に覚悟を感じたのは、
僕だけではないと思う。その1球1球に
目頭が熱くなる。魂の込められたボールは
意図せず甘くなってもバットは空を切り、
痛烈な打球も打者の正面に吸い込まれる。
野手にもその気合いは伝わり、好プレーを
導く。自らのフィールディングも鮮やか。
3回途中30球目辺りからは抜け球も出始め、
おそらくは気力だけが頼りの投球。ピンチ
を切り抜け、4回のマウンドにも登る。
ラミレス監督も迷ったと思うが、国吉佑樹
の熱い眼差しを見れば、交代を告げる事は
躊躇われる。4回もピンチを招き、今日
1つ目となる四球を与えた所でお役御免。
3.2回58球2安打無失点。僕はと言えば、
あと1人頑張れ、あと1人と声援を送って
いたが、本人も初回から1人1人を全力で
1つのアウトを11積み上げた。特に初回、
先頭にフルカウントから四球を出さずに、
インコースの力勝負で勝てた事が、自信
になったはずだ。先頭に四球だったら、
展開は大きく変わっていただろう。
国吉佑樹の覚悟とは一体どの様な覚悟か。
想像だけで書く事ではないが、僕には、
国吉佑樹にとって今日のマウンドは、
特別なマウンドであったと感じた。
それだけに、今日の勝利は、CS争いに
おける大きな1勝であると共に、国吉佑樹
魂の1球1球に応えた、チームの絆をより
強固なものとする、1勝だと感じる。