小さなかわいい天才少女、81番を予約

ある女の子が僕に聞いた。
「番長はコーチになるんでしょ」
「背番号は何番になるの？」
僕は困ってしまった。
そこはまだ考えていなかった。
「18番というわけにはいかないよねぇ」
「えーっ、そうなの？18がいいなぁ」
「目立ち過ぎちゃうから」
「取っておかないといけないから・・・」
その子にとって全く説得力がない。
沈黙の後、女の子が口を開いた。
「じゃあ81番は？」
「逆さに見たら18番だよ！」
僕は今季の選手名鑑を調べる。
71番の小池コーチから90番の光山コーチ
まで、間なく監督・コーチの名が並ぶ。
ただひとつの番号を除いて。81番。
コレは完全に意図して空けてある・・・
「君、天才だね！ベイスターズ博士だね」
「君の言う通り81番で決まりだ！」
Yキャップの女の子は嬉しそう笑った。
「81番の番長ユニも買ってね」
「はい。僕の負けですので、買います」