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2019/03/20 18:57
観戦記
今日、印象に強く残ったのは、楠本泰史の
2安打目。思わず「上手い」と声をあげた。
低めの変化球を引き付けて逆方向。アレが
出来ると、ヒットを打つことに困らない。
アベレージは自然と高めキープされる。
しかし、それよりハイレベルだったのが、
広島の田中広輔選手。ベイスターズ先発
の大貫晋一は、クイックが上手く、牽制も
まずまず、ついでにフィールディングも
良いので、野球をよく勉強し鍛えた選手
と言えると思う。その大貫晋一に対し、
広島のランナーは、盗塁のタイミングを
伺うも、スタートが切れずにいた。菊池
選手も鈴木選手も、慌てて帰塁する場面
もみられ、モーションが盗めないでいた。
そんな中、田中広輔選手は途中からは、
完全に牽制を見切り、大きなリードから
も楽々と帰塁し、完璧な盗塁を決めた。
僕は、ちょうど両者が視界に入る位置に
座っていたので、両目で見ていたが、
走る前から、軍配は上がっている様にも
見えた。格の違いと言うべきか。全てを
分かられてしまった、とすぐに分かった。
田中広輔選手のスタートを切る上で、投手
を観察する力をまざまざと見せつけられた。
コレが一流の盗塁王なのだ。しかし、コレ
までは決して成功率の高くない選手だとは
知っていた。だからもしや、そこを課題と
して、改善されたのではないか。と感じた
のだ。だとしたら、レベルアップした元の
盗塁王はその座を奪還し、40盗塁はして
しまうかもしれない。さらに注意が必要。
多分に、牽制をする程分かられちゃう。
そしてもうひとつ。番長コーチのマウンド
に行くタイミングに注目していた。現役
時代はコーチがマウンドに来る事があまり
好きではなかった、という番長もコーチと
なり、そのタイミングを計っている最中。
イニング間に投手とベンチで話す姿は、
とても印象的で、コミュニケーションが
育まれていると感じるが、マウンドでの
アドバイスや激励も重要な仕事だ。場面は
4回、大貫晋一が先頭打者に四球を与える
失態を犯した後、なんとかツーアウトまで
こぎつけたが、ココからまたストレートの
四球を与える。明らかに打者と勝負が
出来ていないと感じた。おそらく昨年まで
のコーチであれば、ここでマウンドへ
向かったのではないか。しかし番長コーチ
は動かない。僕はコレで良いと思った。
ここで来られても、何を言われるかは、
言われる前から想像がつく。あとは間を
取るかどうかだが、内野陣は集まった
それで充分だっただろう。しかし結果は
連続四球で満塁。しかも連続ストレート。
次打者は投手なので、作戦と呼べるかも
しれないが、今やるべき事ではないはず。
ここで堪らずに番長がマウンドへ。顔は
かなり険しかったと思う。何を言ったか。
「お前が無失点で抑えるよりも、お前の
打者へ向かう姿勢や気持ちが見たいんだ」
僕ならこう言う。その後、大貫晋一は次の
ピンチも逃げずに勝負を挑んだ。番長の
行かない時は行かない。邪魔はしない。
そんなマウンドさばきを見せて貰った。
気持ちを込めて投げた投手。逃げた投手に
は厳しいですよ、多分。やっぱり今年は、
マウンドに向かう番長にも注目しちゃうな。