倉本寿彦

今年1月のトークショーで、倉本寿彦は
目標として、3割と二桁本塁打をあげた。
違和感があった。印象やニュアンスや
行間から、監督の好みに合わせてを感じた。
実感として、長打力を付ければ使ってもら
える、があったと思う。昨季の起用法から
「本塁打で即スタメン」があったし、現役
時のスタイルからも、やはり長打を好む
傾向のあるラミレス監督だから、方向性が
長打に向いたのだと思う。かつて鈴木尚典
が本塁打を意識して、本来の姿を見失った
様に、倉本寿彦も少し、自分のスタイルと
現実の狭間で揺れた。しかし昨日の様な、
逆らわないバッティングが本来の姿だと、
貫いて欲しいと思う。その反面、監督の
好みの問題ではなく、倉本寿彦自身の進化
の為には、やはり強く引っ張っる事も必要。
倉本寿彦タイプに対し、インコース攻めが
増えるのは当然で、逆方向への軽打が封じ
られる。だから「強く打つ」事は倉本寿彦
の進化の過程で必要である事は間違いない。
昨日のタイムリーを見届け、僕はずっと
倉本寿彦の様子を伺っていた。泣けた。
ベンチに向けて両手を掲げた姿に泣けた。
コレ以上、僕が語るべきでないと思った。
どんな雑音があろうとも、倉本寿彦が己を
信じて戦っている様に、僕も黙って信じ
続けようと思う。オフは、茅ヶ崎での自主
トレを実現してもらって、その時また、
直接に話す機会があるだろうから、色々と
伝えられればと思う。僕は倉本寿彦の眼の
奥に感じた強さと、優しさ、を信じる。