最優秀バッテリー賞

2週連続で同じ対戦は投手の方がやり辛い
だろうと思う。前回は完封したとしても、
対策を練られ、同じ攻めでは通用しない。
変化と工夫が求められる。しかし今年の
今永昇太はソレをも簡単にやってのける。
簡単ではないだろう。しかしそう見える。
元来の今永昇太はスライダーピッチャー。
その切れ味で打者を翻弄する。しかし、
ストレートにキレを欠き、ストライクを
取りにいったスライダーを狙い打たれた
のが昨年の形だ。やがてそのスライダー
にも自信を失っていく。オフに入ると、
オーストラリアでの修行の後、直球に
スピードとキレが蘇る。オープン戦も
無事に継続され、晴れて開幕投手の座を
射止めた。しかし僕には少し物足りなさ
が残った。ちょっとチェンジアップに
頼り過ぎではないか。まだスライダー
の自信は回復していないのではないか。
オープン戦の最終登板、今永昇太は
スライダーを多投した。その率30%。
しかし今永昇太にしてみれば少し多い位。
ここで本来の姿に戻すべく試したのでは
ないかと思う。そして迎えた開幕戦では、
スライダーとチェンジアップの使い方の
妙技を魅せる。4回途中迄はストレートを
軸に、スライダーでカウントを稼ぎ、
チェンジアップはゼロ。今度は5回から
チェンジアップで相手を翻弄。ここが、
今永昇太の進化だ。どちらにも偏らず
ストレートで相手をねじ伏せた。この日
のピッチングが今日までの今永昇太を
支えている。相手が絞れないのだ。また
どんな投手かすら分からない。パターン
が読めないのだ。2週連続で同じ対戦は
投手の方がやり辛い、という話に戻そう。
先週は
ストレート60.0%
スライダー24.8%
チェンジアップ11.4%
カーブ3.8%
今日は
ストレート47.2%
スライダー28.3%
チェンジアップ21.7%
ストレートとスライダーに頼ったスタイル
から、チェンジアップを2倍に増やし、
ストレート待ちの打者を翻弄している。
カープ打線が持っているであろうイメージ
を逆手に取り、チェンジアップを増やした。
コレ以上は何も言う事ナシ。引き出しだ。
今永昇太と伊藤光の匠の技だ。