770件のひとこと日記があります。
2019/05/08 23:40
ルーキー大貫晋一から学ぶこと
大貫晋一の何が良いのか解らず、ずっと
考えていたのだが、社会人時代から、
ピンチで動ぜず、冷静なピッチングが
出来る。それはプロの世界でも変わる
ことがないのだから、驚きのルーキー
と言える。社会人野球を経験した利点
なのかもしれない。だから中継ぎタイプ
と思っていたのだ。どんな状況でも自分
の投球が出来れば、スタミナもあるし、
ビハインド時のロングに向いていると。
ところが既にローテの一角を担っている。
何がそんなに安定感を生むのか。今日、
少し解ったような気がする。大貫晋一は、
変化球を利用してストレートを格上げ
させる。普通は、ストレートを使って、
変化球を生かす。例えば山崎康晃の直球
が走っていない日は、ツーシーム頼みに
なって、打者も見極めが容易になり、
ボール球が先行する。そして苦し紛れの
ストレートを狙い打ちされる。今日の
国吉佑樹も変化球でストライクが取れ
なければ、ストレートを狙い打たれる
ので、始めにスライダーでストライク
を取れるのを見せておきたく、4球の
スライダーを続けた。ストライクが、
変化球で取れなければ、ドンドン直球が
投げ難くなる。益々に狙われるからだ。
国吉佑樹はストレートを狙われない様に
配球してナンボの投手。だから狙われ
れば、そうなるのだ。狙っても打てない
ストレートを投げる投手はそういない。
もちろんに、三嶋一輝だって、国吉佑樹
だって、山崎康晃だって、力任せで
抑えられる日もあるだろう。しかし、
調子であったり、疲労であったり、場面
もしかり、状態や状況によって、その
力任せが通用しない事の方が、勝って
いる場面ほど多い。今日の三嶋一輝は
変化球でストライクが取れずに苦しみ、
力任せで二死まではいったが、球数が
かさみ、20球を超えると力任せは
通用しなくなる。変化球に頼る。四球。
疲労と言える。国吉佑樹は状況が許さな
かった。負けている場面では力任せに
投げ込めても、逆転のピンチでは開き直る
事が出来なくなってしまう。だから、
勝ちパターンで投入を躊躇われるのだ。
赤間謙しかり。大敗時に好投したから
といって、いきなり勝ちパターンでは
起用出来ない。未知数であり過ぎる。
誰しもが、徐々に信頼を勝ち得て来た。
話を大貫晋一に戻さねば。大貫晋一は、
困った時に、ストライクを取る方法を、
何パターンか持っている。右打者には
シュート系のツーシームでファウルを
打たせる。左打者にはスライダーや
スプリットが有効。そして速くもない
ストレートを偶に投げれば、打者は
簡単に振り遅れる。もちろん多彩な
変化球を持っているからこそなのだが、
変化球でカウントを整え、ストレート
を最大限に速く見せる術を持った投手。
だから力感や凄みがないのに淡々と
しかも堂々とストレートが投げ込める。
その真骨頂が3回の丸選手。3ボール
から、ストレート2球で見逃しを奪い
最後はツーシームを引っ掛けさせた。
ストレートもツーシームも球速はそう
変わらないのに、速く感じているから。
6回の亀井選手は変化球で追い込み、
136kmのストレートで空振り三振。
(ちょっと球速表示はアテにならないが)
変化球を利用してストレートを格上げ。
変化球に苦しみストレートを格下げ。
球種の少ない投手には酷な話ではあるが、
やはりソレなりに変化球の技術がなけ
れば通用しない。しかし技術だけでは
ないと思う。相手は速球に振り遅れまい
としているのだから、少々甘かろうとも、
タイミングはズラせる。逃げ腰になる
必要はないのだと思う。逃げるほどに
カウントを悪くし、自信があるはずの
速球勝負が出来なくなってしまう。
ストレートに自信があるならば、堂々と
変化球を投げ込め。変化球が多彩ならば、
堂々とストレートを投げ込め。相手が
勝手に考えてくれる。投げずとも得意球
を生かす方法はある。発想を転換せよ。