走塁技術の真髄をみた、かも。

コレは僕が知らなかっただけかもしれ
ないのだが、糸井選手の走塁を見て、
プロの細かい技術に驚いた。試合中、
今日は守備時に、宮崎敏郎の走塁死に
ついて考えていた。ミスなのか、相手の
好判断なのかが分からなかったからだ。
そんな折、糸井選手の走塁に驚かされた。
宮崎敏郎の走塁死は4回一死12塁の場面。
ここで内野ゴロを打つと、殆どの場合は
2塁から1塁転送の併殺を狙う。この時、
2塁ランナーの動きが注目される事は、
殆どないだろう。しかしこの時ばかりは
セカンドランナーの宮崎敏郎には難しい
判断が求められた。打者J.ロペスの打球
は投ゴロ。ガルシア投手は当然セカンド
へ送球。狙い通りであれば、二塁から
ファーストへ転送され併殺が完成し、
スリーアウトチェンジ。実際はガルシア
投手が悪送球し二塁はセーフになり、
一塁への転送も行われずオールセーフ。
ではこの時、ほぼ注目されないセカンド
ランナーは、何に備え、どんな動きを
するのか。この時の様に悪送球に備え、
あるいは併殺崩れの間に、ホームインを
狙う動きが求められる。普通の考えでは、
素早く3塁へ到達し、オーバーランを
して、ホームへの隙を探し状況を見守る。
つまりは、3塁ベースへ滑り込む事はない
だろうし、ベース上に立っている事も
ないだろうと思う。宮崎敏郎も3塁ベース
から少し離れホーム方向でプレーを見て
いた。そして送球ミスが起こった瞬間に
ホーム方向へ体重を移動し発進した。
しかし次の瞬間、悪送球はセンターへは
抜けずに、バックアップの選手で止まる。
宮崎敏郎が今度は逆戻りが必要になった。
一度傾いた重心を戻すには時間が掛かり
突っ立ったままタッチされてしまった。
宮崎敏郎の頭と身体の動きを整理すると、
併殺プレーにミスが起きるかもしれない
から、早くに3塁へ到達し、すぐに帰塁
出来る位置でプレーを見守ろうとした、
そこに送球ミスが発生し、センターへ
抜けそうだホームへ指令が脳から発せ
られて、重心を傾ける、ところが抜け
ないのを見て、今度は戻れ指令。しかし
身体が追いつかなかった。相当の瞬発力
が要求されるので、宮崎敏郎には難しい
だろうと思い、反射的な動きであるので、
致し方ないかと、僕は思い始めていた。
バックアップした選手が良い位置にいた。
そう思おうとした。だから阪神の攻撃時に
ノーアウトで2塁にいる糸井選手の動きを
僕は追っていた。打球はファーストゴロ
悠々と糸井選手は3塁へ到達出来る。
そして宮崎敏郎と同じ様に、ミスに備える
かと思いきや、糸井選手は打球から目を
離さずに、サードへは急がない。そして
ミスが起こるやもしれない瞬間に加速を
したのだ。何だこの動きは。多分に本能
なのではないだろうか。横断歩道の法則
がある。赤信号で待っている人よりも、
歩いて来てちょうど青信号に変わった
人の方がスタートが早い。そして例えば
2人が渡り始めた瞬間に「戻れ」と言われ
れば、戻るのが早いのも後者だ。ある
程度の動きがある方が反動を利用出来る。
勿論にトップスピードでは反転し難いが
程良いスピードであれば柔軟に体が反応
をする。言葉では伝わり難いが糸井選手
は、身体能力の高さ故に自然とこなして
いると思う。そしてミスが起きれば、
そのまま加速する。スタートは最速。
咄嗟に戻る必要があれば反動を利用し、
反転する。コレが僕の驚いた走塁技術の
真髄だ。誰にどこまで求めるべきか。
それにしても今日は濵口遥大の調子が
どうのでなく、ガルシア投手にあの
ピッチングをされたら諦めも潔くなる。
中井大介と倉本寿彦の入れ替え理由も
納得出来た。観戦は盛り上がりも少な
かったが、アノ年1の投球をされたらば、
受け入れやすい負け方ではあるのだ。
国吉佑樹の67球はカッコ良かった。
強いて言えば、昨日の最終回に勢いづけて
しまったことが悔やまれる。阪神戦の
アレルギーはまだ残るが、次回期待。