ターニングポイント３

37試合13勝24敗(3月29日〜5月12日)
37試合23勝12敗2分(5月15日〜7月2日)
この変身ぶりに、2枚も3枚も絡んでいる
のが、上茶谷大河の打破だ。5月18日の
初勝利から5連勝。プロ初登板で勝利を
溢されてしまってから、その投球内容は
ドンドンと悪くなっていった。テンポが
悪い。顔が悪い。立ち上がりも悪くなる。
プロの怖さを思い知り、慎重になり過ぎ、
腕が振れない。オーソドックスで綺麗な
フォームから間も無くリリースされた
直球は思いのほか打者からは見やすく
タイミングが取りやすい。打たれては
いけない。ランナーが気になる。牽制が
多い。打者に集中出来ない。ど真ん中の
負のスパイラル。誰が何を言ったか知れ
ないが、2段モーション気味に変化して
タメを作ってから、ストレートに力感が
戻る。精神面でもかなり変化。開き直り、
細かいコントロールより優先に腕を振る。
かなり男前になってきた。そして勝利は
自信を生み出す。遠回りは近道だった。
今日なんて、先頭打者に出塁されても、
「下位打線だろ」なんて表情に見えた。
1人出しただけで大ピンチの顔をしていた
上茶谷大河はもういない。今日なんて、
1球たりとも意図せぬシュート回転はない。
そしてルーキーがチームを気流に乗せ、
遂には5割復帰の立役者となった。
チームのターニングポイントはルーキーの
ターニングポイントと一致する。もはや
欠かせないローテの一員となった。でも
しかしだ。ルーキーである事を忘れては
ならない。絶対に中心に据えてはならぬ。
据えなければならない状況にしてはなら
ない。その為には濵口遥大。いつまでも
黙っているわけにはいかないだろう。
魅せてやれ、魅せてくれ、更なる上昇の
気流に乗って、高みへ可能性の大きさを。