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2019/08/03 07:13
敬遠ひとつ
敬遠とは戦略だ。ピンチを脱する策として
敬遠は選択される。打者を選ぶ、守り易く
する。戦略は確率論をベースに練られる
場合が多い。そこに調子や相性を考慮し、
打順と両軍の控え選手を睨み、駆け引き
が行われる。そこで敬遠が、最善策だと
判断されれば選択される。敬遠策が成功
したか失敗したかは、結果論でしかない
ので、難しい議論になる。失点したとして
も、多くの場合は、敬遠が原因ではなく、
その前に作ったピンチが原因なのだから。
失点しなかったとしても、敬遠したから
と必ずしも言える訳ではない。だから、
敬遠策はピンチを脱する為の苦肉の策。
点差の状況も判断の材料に大いになる。
敬遠するバッターランナーが、どの様な
ランナーになるのか。同点のランナーや
逆転のランナーになるのであれば、より
慎重な判断になる。勝っている場合は、
大量失点を防ぐ為に、余分なランナーは
出したくない。だから、その打者と次打者
の力量差が最大の判断材料になる。最大の
メリットは、併殺でピンチを劇的に脱する
可能性が発生すること。打者の走力も重要
になってくる。最大のリスクは、ピンチを
脱せなかった時の失点数が多くなること。
たが、1点勝負の場合は、考えなくて良い
リスクとなる。敬遠によって満塁になる
場合は、押し出しのリスクが発生し、更に
打者の選球眼や投手の制球力が問われる。
さて昨日の筒香嘉智が敬遠されたシーン。
状況は、1点差で讀賣リードの6回裏。
DeNAの攻撃。同点になって、更に逆転を
狙う場面。まずベイスターズサイドから
考えると、同点の立役者は先頭の石川雄洋。
宮崎敏郎が継なぎ、N.ソト同点適時二塁打。
一死二三塁で筒香嘉智、J.ロペスと続く。
チャンスの要因は、この中で一番打率の
低い、石川雄洋が代打から出塁したこと。
好投の平良拳太郎に代えてなので重要な
打席だった。負けているので当然の代打。
そして999本目の安打を放つ。この回に
ラミレス監督が動いたのは、この代打策
だけ。この策ひとつの成功が逆転にまで
繋がっていく。次の神里和毅にバントを
命じなかったのも策。結果は三振なので
失敗と言えるが、バント失敗でムードを
壊す事の方が嫌だ。そのリスクは高い。
同点ではなく、逆転する姿勢と言える。
コレが伝わっていくのだから素晴らしい。
ジャイアンからすれば、最大の誤算は、
先頭打者の出塁から上位打線に回した事。
クリーンナップを孤立させる事が出来な
かった。だからその後の敬遠策ではなく、
原因はその前にあるのだ。問題の敬遠策。
筒香嘉智を歩かせ満塁策からJ.ロペスの
併殺打狙い。状況と筒香嘉智との相性。
菅野投手の制球力。J.ロペスの調子等を
考えると、誰も異論はないだろうと思う。
勿論に継投の場面ではない。しかし僕が
注目したいのは、その敬遠のやり方だ。
まずは監督自らマウンドに向かい、監督
の考えを説く。筒香嘉智との勝負を避け、
J.ロペスと勝負すれば、併殺打の狙える
打者だし、調子も良く見えない。どうだ
ろうかと。敬遠とは、逃げる行為と取る
場合がある。エースのプライドを考慮し、
原監督の意思を伝えている。それにエース
は頷く。そして、申告敬遠にするか、4球
投げるか。多分にそこまで相談している。
敬遠とは戦略であり確率論だと書いたが、
それだけではない。精神論も考慮すべき。
前の打者が敬遠されれば次打者は燃える。
塁が詰まれば投手はよりナーバスになる。
全てを受け入れて、原監督はマウンドに
向かっている。結果はベイスターズが
逆転に成功したが、当然に敬遠策の失敗
による展開ではない。その場面の最善策
を打ったジャイアンを、J.ロペスがその
上を行った勝負としか言えない。何が
言いたいか。敬遠は策であり、その選択
は監督の考えとして受け入れるべきもの
ではあるが、そのやり方は色々あるという
事が言いたい。昨日の原監督にソレを強く
感じてしまった。僕は歴戦練磨の監督と
新米監督を比較はしないが、敵将の行動
から、感じるものはなければならない。
と偉そうになってしまった・・・