野球は長い３

娘をベイスターズ信者にした僕の責任と、
ソレとは相反して別の、親としての責任
でも最近悩んでいる。来年はもう高学年。
勉強を疎かにしてはいない。趣味を理由に
本分を疎かにしてはいけない。お友達と
遊ぶことも大切。ここまでは娘の頑張り
で遅れる事はなかった勉強も、高学年とも
なるとそうはいかない。今年も仕事帰りの
僕と、塾帰りの娘がスタンドで落ち合う。
そんな事が何度かあった。一人で電車で
チケットを握ってハマスタへ。幸いにも
得意顔で僕の待つ座席までやって来る。
必ず僕の方が先に着く。そうだ娘の方が
忙しくなってきた。そろそろ僕が娘の方に
合わせなければならない。そんな事を考え
ている。というよりソレが現実に迫る。
野球の試合時間は長い。シーズンも長い。
そしてその先も永いはず。娘には今日の
試合に勝つこと、今年に勝つことが最も
重要な事ではないと教えている。もっと
言えば、勝つことが全てではないと言う。
最も重要な事は、自分自身が変わらずに、
ベイスターズを観続けることが出来るか。
どんな時も、だ。その為にベイスターズ
もベイスターズで有り続けて欲しいと。
そう願い応援する事が僕らに出来る事だと。
球団消滅の危機に直面したからこそ伝え
なければならないと思っている。しかし
ソレは趣味としなければならない。趣味で
何か大切なものを犠牲にしてはならない。
犠牲の上に成り立つ継続などあり得ない。
野球は永い。僕らには、新たな楽しみが
出来た。筒香嘉智が夢を叶えて日本に戻る。
その時に娘はいくつになっているだろう。
娘とふたり、スタンドで筒香嘉智を迎える。
そんな想像をしただけで鳥肌が立ち震える。
その時、日本の野球界はどうなんだろうか。
メジャー流出に歯止めがかからず落ちるか。
盟主の力を借りて、何も変わらずにいるか。
大きな改革が行われ野球は輝きを取り戻す
のか。野球は長い。そして永いはずである。
大人になった娘とハマスタで、筒香嘉智を
迎える僕の新たな夢を、どうか叶えたい。
その為に僕ら親子は来年からもスタンスを
変え続ける。今出来る事をストレス無く
続けていく。大事なのは観戦試合数では
ない。大切な想いを持ち続ける事こそ。
やはりファンフェスに行こう。筒香嘉智に
伝えなければ、「待たせてもらうぞ」と。
終わり。