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2024/03/05 02:18
宮城谷昌光『馬上の星』
宮城谷昌光さんの長編歴史小説『馬上の星』(中央公論新社)読了。
2021~2022年に中央公論で連載されていた小説らしいので、古い本ではない。
中国・後漢草創期の大功臣・馬援(前14~49)の一代記で、彼がいかにして光武帝劉秀と出会って後漢創業の功臣となったかを描く、静かで読みやすい文章と重厚な筋立ての中国歴史小説だ。
馬援の「馬」姓は地名由来で馬に関連しないが、文中で彼は馬産の名人として描かれる。
小説の文中には、馬をはじめとする動物に対する愛情が根底にある。
実際、馬援は乱世になる前は中国北部で牧畜業で成功して巨万の富を築いたそうだ。
小説の内容が全て史実通りとは思えないが、たいそう面白そうな人だったようだ。
作者を同じくする『草原の風』(光武帝劉秀の一代記)と合わせて読むと、より楽しめると思う。
夫「馬援なんて奴、僕は全く知らないぞ」
私「三国志に登場する馬騰・馬超の父子とその一族が、この馬援の子孫だ」
夫「マジかよ」