1969件のひとこと日記があります。
2025/09/09 07:59
サンエイサンキューの話をしよう
昨日「サンエイサンキュー事件」の話をしたので、今日は「その後」の話。
あまりにも悲しい話なので、手短に事実だけ記す。
1992年11月15日エリザベス女王杯で5着に入ったサンエイサンキュー。
鞍上の田原成貴さんは「これでやっと休めるな」と彼女を労い、厩舎も放牧の予定を立てていた。
実際、彼女の体調は過酷ローテーションにより変調をきたしており、この頃には既に橈骨を酷く痛めていた。
まともに走れず、調教のたびに骨が軋む音が鳴っていたというから、かなりの重傷だった。
しかし馬主(岩崎喜好さん)が放牧プランを白紙にして、同年の有馬記念出走を決めた。
馬体の状態は最悪で、しかも乗り替わり(田原さん→加藤和宏さん)。
陣営はひたすら彼女の無事完走を祈った。
関係者たちの心配は悪い方向で的中し、サンエイサンキューは直線途中で右橈骨手根骨複骨折を発症し競走中止になった。
怪我の状態は予後不良で、その場で安楽死させるべきレベルだった。
しかし「繁殖牝馬にすれば金になる」という馬主の意向で患部をギブス固定するなど合計6回の手術による延命治療を重ね、サンエイサンキューは紆余曲折を経て徐々に衰弱していった。
蹄葉炎を併発し、430キロほどあった体重は300キロを切るまでに痩せたという。
2年近い闘病生活の末、サンエイサンキューは1994年10月21日に心臓麻痺により5歳(旧6歳)の短く悲しい生涯を閉じた。
私「何で」
夫「岩崎にとってサンエイサンキューは稼ぎ頭で、かつ生涯唯一の重賞馬だった筈だからな。それと、西山(西山正行さん)とニシノフラワーへの対抗心もあったらしい」
私「呆れて言葉もないな」
夫「しかし馬は経済動物だから、金を稼いでナンボだ。岩崎のやり方も、馬主のひとつの形であることも事実だぞ」
私「それが罷り通ってたまるか」
2025年現在、サンエイサンキューの半妹シャトーモア(1998~2013用途変更)の仔孫が賀張中川牧場(北海道日高町)で細々と残っている。
シャトーモア→エヌティボタン→(続く)
サンエイサンキューが私たち競馬ファンに提示した問題は、あまりにも重い。
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YOSHIさん
kannapapaさん
おはようございます。
あのレースは確か、馬連3万馬券でしたね。
メジロパーマーを当てるとは凄いなと思います。 -
こんばんは。
少し自慢になりますが、1992年の有馬記念私も単勝と馬連的中しました。
初の万馬券ゲットだったと思います。
(五間梯子さんのご尊父様ほどではないです。)
その陰にサンエイサンキューの悲劇があったんですね。 -
YOSHIさん
べっちょさん
こんばんは。
本当に、そう思います。 -
YOSHIさん
五間梯子さんに続きです。
ご尊父がメジロパーマーで当てたとは、凄いなと思います。
かなりの穴馬だったのに!
改めてあの1992年有馬記念は、当てた人が凄いと思えるレースでした。 -
YOSHIさん
五間梯子さん
こんばんは。
サンエイサンキューの名前は私も以前から聞いていましたが、とても悲しすぎる最期だったと聞いていたので意識して避けていました。
情けないことに。
あの時期にはハマノパレード事件(1973年)やハードバージの最期(1987年)など、競走馬の悲しすぎる話を立て続けに耳にして、落ち込んだというのもありました。
田原さんの関係で、改めてサンエイサンキューの事績に向き合うことにしたのは少し前。
当時の記録を調べると、本当に悲しいと思いました…。
今から30年以上前の話ですし、競馬には巨額のお金が動くので、綺麗ごとでは済まないことは百も承知ですが…。
貴重な情報、本当にありがとうございます。 -
べっちょさん
単純に馬主はに汚い。逆に稼いだは治療で消えただろ
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五間梯子さん
https://www.horsepark.jp/m-saneithankyou.html
https://ameblo.jp/usaruth/entry-12711424418.html
もしこの2つのブログが本当なら、サンエイサンキューは苦しみこそすれ、その苦しみの中で亡くなったわけではなさそうです。
せめてもの救いが、そこにはありそうです。 -
五間梯子さん
サンエイサンキューの有馬記念。
父がメジロパーマーからの総流しで60万を獲ったため、そっちの思い出の方が強く、実はサンエイサンキューのその後はあまり記憶にありません。
ただネットで調べると、同じような文章が沢山出て来ますね。
そんな中、「骨折からの回復を果たした」という書き方をしたブログを読みました。
ただその代償として足の骨が曲がったことで、繁殖へは上げられなくなったとも。
別の方のブログでは、その頃のことでしょうか?
曲がった足を気持ちよさそうにマッサージを受けているサンエイサンキューの様子を書いているモノもありました。
このような書き方の文章も一緒に広がってくれたらいいのになぁと、思います。 -
五間梯子さんがファイト!と言っています。
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YOSHIさん
kannapapaさん
おはようございます。
有馬記念に臨むサンエイサンキューの状態は誰が見ても非常に悪く、厩舎関係者は誰もが出走に反対していたと聞いています。
何というか、言葉が見つかりません。
謹んで合掌いたします。