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81件のひとこと日記があります。

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2018/10/26 16:51

実戦と調教

調教内容はレース間隔によって異なる。
間隔が短い場合は強めや一杯には追わず、馬なりや終い重視の調教によって馬体のチェックと、次走に向けての調整が施される。それは1回のレースが数回の調教と同様であるからだ。レース後に強い調教を施してしまうと更に馬体に負担を強いらせてしまい、故障や馬の走る意志を喪失させてしまうことに繋がり兼ねないからだ。
次に多少ゆったりした間隔の馬は軽めから調教し、徐々に負担を掛けた強めの調教に切り替えていく。理想は、レース2週前と1週前にある程度速い時計を出しておくことだ。直前追い切りで一杯に追い速い時計を出してしまうと、調教によって蓄積された疲労をそのままレースに持ち込んでしまう。それを防止する上でも余裕を持って仕上げ、それを維持する為にもクールダウン程度の調整が必要である。そしてもうひとつは、直前追い切りで一杯に追ってしまうと高くなったテンションをレース当日まで引きずってしまい、スタートから暴走してしまうことに繋がり兼ねない。特に父系でも母系でもサンデーサイレンスの血が流れている馬は、その傾向が強く現れてしまう。レースを経験した競走馬は、強めに追われるとレースが近いことを認識すると言われる。だからこそレース前に必要以上の高いテンションに繋がることは避けなければならない。
そしてレース距離と調教距離にも関係がある。どんなレース距離でも短い坂路だけで負担を掛けた調教では、馬に距離の錯覚を生じさせてしまい、レースで暴走してしまったり余裕がなくなってしまうことに繋がる。特にレース距離が長くなればなるほどウッドチップコースで長めの距離をゆったりとスタートさせ、ラストをしっかりと追うことが重要であると共に、負担を掛ける坂路とレース感覚を養う長めのウッドチップコースを併用することが重要である。そして最終追い切りでは、どちらのコースであれレースに調教の疲労を残さず落ち着かせる為に馬なりの調教が必要となってくる。但し、速い時計だからといってレース当日までテンションが高いままではない。力のある馬は、馬なりでも速い時計は出る。
良く調教タイムのことが取り沙汰されるが、ウッドチップコースでは手時計で計測される為、計測している人間によって様々なタイムが表示され、1秒も異なることも事実だ。しかも内めと外めでは誤差が生じる。これらを含めて全ては調教タイムではなく馬体各所の動きとバランスを見極め、その内容でタイムを参考にすることが重要である。
そしてまた、馬は暑さに弱い。その為に気温の低い早朝に調教を施し、調教で熱くなった馬体をクールダウンによって常温に戻すことが不可欠である。
これらは全ての競走馬に当てはまることではなく、個々の馬によって調教方法や調整方法が異なることは言うまでもない。

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  • まつりさん

    めちゃくちゃよくわかりました♪

    最終追い切りが目一杯なのが いいのだと勘違いしてました〜

    ありがとうございます

    2018/10/26 20:06 ブロック

  • まつりさんがいいね!と言っています。

    2018/10/26 20:05 ブロック