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2019/10/04 17:57
凱旋門賞 ロンシャン競馬場コース編
まず凱旋門賞のコースは右回りの芝大回り。そして2400mのスタート地点は1〜2コーナーの中間辺り。
スタートして最初は長い直線を1000m近く駆け上がる。その後は2段階に分けて右にカーブしていく。
最初は緩やかに坂を下り始め、カーブの角度がきつくなったところから始まるのがフォルスストレート。
最後の直線は533m。直線自体は平坦で末脚の切れを要求されるが、長い下り坂を下ってきた後の為、持久力も要求される。
日本の京都競馬場に似ているが、高低差は10mもある。こうしたコース形態は日本国内には皆無である。
しかも昨年は使用に賛否があり、直前になって使用しなくなった『オープンストレッチ』が今回は採用されることになった。それが上段画像の右上である。
最後の直線で内側の馬の不利をなくすという理由らしいが、個人的には好ましいとは思わない。確かに内で包まれることはなくなるかもしれないが、仮柵が外された傷みのない内側の馬場を狙って殺到してしまうと、斜行が増加してしまう可能性さえある。そしてフォルスストレートでの各騎手の位置取り争いの興味も半減してしまう。
ただ、昨年はオープンストレッチを採用したレースも実施されており、それほどの影響はなかったという関係者も多く、どんなレースになるのか注視してみたい
次に馬場状態だが、一人のある記者がこう綴っている。
『昨年以上に日本馬向きの状態だと思う。芝丈は8〜10センチほどと短く、歩いた感触はじゅうたんのようだ。そして何よりも路盤がフラットだ。今年で凱旋門賞取材は5度目だが、過去の馬場は地面がボコボコしていた。それが今年は荒れておらず平らなまま。C・デムーロ騎手は「去年は穴が空いてたけど、今年はすごくきれい」と教えてくれた。JRAの整備された馬場を走り慣れた日本馬たちにとって走りやすいコースだろう』
その様子が下段画像であり、右下の黄色○内は芝にiフォンを立てた状態。
ロンシャンの芝は深いと言われているが、実際は日本の芝の方が長い。今年も短く刈られ、iフォンが倒れずに立っている程に立が強いことが分かる。
立が強いということは反発力があり蹄が直接地面に接しづらくなる。結果的にソフトに感じるはずである。日本の馬場が固く高速であるというのは、ロンシャンより長くても野芝(オーバーシードを含め)を使用している為に芝が寝やすく、その分クッション性が弱まり蹄が地面に接地しているような感覚になるはずである。
そうしたことに加えて野芝は茎の部分が地中に伸び、洋芝は茎が地面に這っている。その為、ロンシャン競馬場では網の目のように張り巡らされている茎を馬が走るような状態である。これが日本よりもロンシャンの芝は深い、あるいは粘っこいと言われる要因である。
それからもうひとつ...日本の競馬場は人工的に作られ非常に整備されているが、ロンシャンを始めヨーロッパの競馬場は自然の地形を利用して作られている。その為コース全体は細かな起伏があり、慣れない日本馬には走り辛い。今回はきれいとされているが、直線を除いたコースも芝は整備されていても自然の形態までは変わってはいない。
それは調教場もまた同様である。