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2022/09/12 17:58
欧州血統について
ニエル賞に出走したドウデュースだが、直線ではSimca Mille(シムカミル)に突き放された。
ドウデュースは血統的には全く欧州向きでは無いので仕方がない。少なくとも洋芝の重馬場では歯が立たない。
Simca Milleの血統は父 Tamayuz(ミスプロ系)、母 Swertia(母父 Pivotal)である。欧州馬の血統によく見られがちなSadler's Wellsは入っておらず、Deep impactが母系に内包しているBustinoのクロスがあり、それほど重厚な血統には見えないが、Nureyevのクロスもあり、スピードとパワーを兼ね備えた血統に見える。
ただそれほど重厚には見えない血統の馬にすら負けているのであれば凱旋門賞でも厳しい戦いが待ち受けているとしか言いようがない。
昨年凱旋門賞を勝利したトルカータータッソはAllegretta/Alya(全兄弟)のクロスもあり、重厚さが見て取れる。
高速馬場適性が高いGone WestやSeattle SlewのBold ruler系が詰まった日本の血統とは作りが異なるので仕方ない。
その作りの違いは何からくるのか?
欧州の馬場は良馬場で開催されることが少ない。西岸海洋性気候の影響を受けて1日のどこかで雨が降っているのではないか。暖流の湿った空気を偏西風が年中大陸側にもたらすことによるものらしい。
そういった気候による馬場への影響も代々考慮されてサラブレッドの血統が作られていると思うと、実に奥が深い。日本の血統で凱旋門賞で勝利するのは、サラブレッドの歴史をひっくり返すようなものなのかもしれない。将来そういう馬が誕生するとしたら本当に凄いことだと思うし、そういう配合を見てみたい。
日本馬が凱旋門賞を勝利するわずかな可能性があるとすれば、良馬場(フランスでは「Hard」と呼ぶらしい)が前提になるのだろう。