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2020/09/10 12:12

バジガクモミジ

3歳牝馬のバジガクモミジをご存じだろうか。
ハジカクではなく、バジガクと濁点が多く用いられている。
彼女は南関東、大井・久保田信之厩舎所属で、地方競馬ファンにはちょっと知られた存在だ。
父キングズベスト、母ヴィルヌーヴ、母の父ディープインパクトと血統は悪くない。
この耳慣れないバジガクとは、オーナーの株式会社馬事学院からとったものだ。
同社は厩務員育成など、競走馬に係る事業を手掛ける民間企業だ。
よってバジガクモミジは、厩務員志望の学生達に身の回りの世話をしてもらっているという按配だ。他にもバジカクの付く馬は数頭いる。

バジガクモミジの魅力(弱点でもあるのだが)はなんといってもその馬体重だ。
昨年2019年6月にデビューしたときの馬体重315Kgは1年以上経った今も310Kgと全く増えていない。何せカイバをしっかり食べてくれないのだ。
その馬影は他の馬たちの半分にしか映らない。
あのJRA最軽量勝馬の記録を持つ名牝メロディーレーンを更に一回り小さくした感じだ。
そして驚くのがその競争成績だ。
過去11戦して全てが最低着順、しかもスタートから終始最後尾を走り続け、徐々にその差を広げられるレースぶりで、一番走った時でさえ1着馬から遅れること6.0秒と100m以上離されている。
最も悪かった時のそれは不良馬場とはいえ11.9秒も離された。3か月前の6月のことだった。
だが、騎乗した騎手達が言うには「けっこう負けん気が強くあきらめずに一生懸命走る」となる。

そうなるともう、ファンの目は彼女の一挙手一投足にくぎ付けとなり、早くブービー賞を取らせてあげたい、と期待は膨らむ一方なのだ。
馬事学院の学生厩務員達も、そんな彼女のためにグループで作戦を立て、基本動作から見直し調教方法を変えたりして何とか1頭でも負かせられるよう、日々涙ぐましい努力に余念がない。
学生達からモミジと呼ばれ、時に甘える仕草を見せる彼女は何とも可憐だ。
獲得賞金がなくても授業の一環としての教育材料という位置付けにいる彼女は幸運とも言える。他のオーナーなら即処分されているだろうから。
こうなったら、もう少しダイエットして200Kg台競走馬の記録を樹立してほしい。
無観客が解除されて、競馬場で直接モミジを見て応援したいと思うファンは多い。

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