迷走期〜２

その人は、一つ歳上の職場の先輩でした。学校も同じで有ったので、とても親切に接して頂きました。
最初は、バイクの話から…でした。彼も私もバイクが好きで乗っておりましたから、いつしか親しく話をする様になりました。


地方出身者の彼は、とても温厚で、人当たりもよく、女性スタッフの人気もダントツでした。
彼は、人格者でした。


私は、どちらかと言うと、感情の起伏が激しく、人見知りでした。然程 年齢も変わらないのに…。この違いは何なのでしょう？

いつしか私は、彼に憧れる様になっていきました。


しかし、彼と同級の男の先輩は、何故だか彼を避けておりました。


それは 何故なのか？…私には不思議でならなかったのですが、その理由が 解る日が やってきたのです。


ある日、独り暮らししている…という彼の家に泊まりに行った時の事でした。


彼は 風呂無しの 古いアパートの一室に住んでいたのですが、衣装ケースを重ねた上に、見慣れないボックスが有りました。


何だこれ？ ('_'?)


とは思ったんですが、取りあえず一先ず 飯と銭湯へ…。


帰ってから、色々 話しはしたのですが、それでは寝よう…という段になって…、


「ちょっと、俺、やる事が有るから、先に寝とって…」


と言って、ボックスを開け… 何やらお経を唱え、拝み出したのです…。


(°Д°)


そうです。彼は 某新興宗教の 信者さん…だったのです。


拝み終わって、その後は一緒に 寝たのですが、正直、ちょっと複雑な気持ちになりました。


巷の噂では、余り 良い評判を聞かない団体…だったので、この後 何か有るの？ … って思ったのですが、その日は何事も有りませんでした。


しかし、本当の恐怖は、後々 やってくるのでした … 。


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