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2021/01/03 09:26
私が最初に応援した馬
中山金杯の出走想定に入っているロザムールは、私が一番最初に応援した馬です。
言い方を変えれば、ロザムールを応援するために、1度も行ったことのない未知の世界の競馬場に私は1人で行くという大決心をしたのでした(笑)。
私は引退馬支援から競馬を始めた人間なのですが(引退馬支援のきっかけは長くなるので割愛しますが)、最初に支援することに決めた馬がロザムールの故郷、静内杉下牧場の生産馬・コスモセブンだったのです(もう1頭は本桐牧場で繋養していて、一昨年7月に亡くなったトウショウオリオンです)。
コスモセブンと静内杉下牧場の紹介や、地方を抹消になった生産馬を戻す決心をした経緯を読んで私はひどく感動してサポートファミリーの会員になりましたが、とにかくこの牧場の方に直接お話を聞きたいという気持ちが大きくて、真冬の2月、北海道の馬産地へ向かったのでありました。
競馬をまったく知らない私のような人間が、引退馬の支援をし、生産牧場まで来ることが非常に珍しかったらしく、奥様がとっても驚いていたことを覚えています。競馬や馬のことを知らないので、何を話せばいいのかな?と少し困っていたかもしれません(笑)。
「競馬場に行くのは少し怖いです」と私が言うと、奥様が「今は競馬場はとても楽しいですよ。パドックで馬を眺めているだけで、自分のお気に入りの馬に会えたりするかも」とおっしゃってくださいました。
そんなわけで、ロザムールが出走する日に、意を決して、中山競馬場で競馬場デビューしたのです!
奥様がおっしゃっていた通り、この日パドックでたくさんの競走馬を見て、すごくワクワクして、写真を撮って、気になる応援馬を見つけることができました(その多くは今では抹消となり、唯一頑張っているのがクロヒョウです)。
また、この日は午後に「競馬初心者講習会」を受けたのですが、講師の方とパドックを見ている時にシゲルピーマン君がいたことは覚えています(当時はもちろん障害レースなど知る由もなかったですが、ペガサスJSの日だったようです)。
すぐに覚えることができる名前、記憶に残る名前をつけることも大切なんだなと感じますね。
2回目は東京競馬場で、やはり目当てはロザムールの応援でした。この時はじめて、競馬場の席は新聞などでほとんどが埋まってしまっていることを知りました(笑)。
空いている席を探していると、ロザムールの発走の少し前に奇跡的に空席を1つ見つけました。座って待っていたら、ロザムールの発走直前になってある男性が来て「自分がこの席を取っていたのでどいてくれ」と言われました。びっくりしてかたまっていたら、レースが始まってしまって、こんな人の相手をしている暇がなくなり、いそいで席を離れて、周りの人の邪魔にならない端に寄ってレースを見たことを覚えています。
この時は5着。レースが終わると、別の男性から声をかけられて「良かったらここで見てください」と席をあけてくれました。さきほどの一部始終を後ろから見ていたそうです。いつも仲間で競馬を楽しんでいるようで、「だいたいこの当たりの場所」に集まって、早く来た人が仲間分の席を取っているようでした。しばし仲間に入れていただいて、いろいろなお話を聞くことができました。高校生になる娘さんが、確か騎馬隊か何かの試験を受けるというお話をされていたと思います。こうして競馬場で仲間が広がるんだなと、本当に驚いたものです。
ロザムールはこの次のレースで初勝利をあげて未勝利を卒業、その後快進撃を続けました。
前走12月の常総Sで勝利してオープン入りを果たしましたが、その少し前、生まれ故郷の牧場では場長さんが逝去されました。
場長さんは引退馬協会の活動にとって非常に大きな貢献をされた方でした。2回目に訪問した時にご挨拶しましたが、キャリーケースに詰めたお土産のニンジンを見て「これ、関東からわざわざ運んできたの?」と大爆笑されていたことを覚えています。とてもきさくで、温かい方という印象があります。
牧場初の重賞レース出走は、ロザムールから場長さんへの感謝の思い、場長さんへのプレゼントなのだと感じました。
中山金杯、精一杯がんばってほしいです。そして何より、無事のゴールを祈ります。がんばれ、ロザムール!
(写真は最初に訪問した時のコスモセブン君)