192件のひとこと日記があります。
2021/07/06 11:47
大久野島の問題を考える
瀬戸内海に浮かぶ小さな島、大久野島をご存じでしょうか。
広島県の忠海港からフェリーで約15分。周囲4.3kmの小さな島です。
現在900羽超の野生のうさぎが生息することで世界的にも有名になったこの島へ行って参りました。
そして、SNSで目にするたくさんの可愛らしいウサギの姿だけではない、この島が直面している問題を実際に目にして、とても重い気持ちで帰宅しました。
今こうしてパソコンの前に座っていても、ずっとこの島のことが頭から離れません。
17年近く、ずっとこの島に通って、ウサギを観察し、人間の介入が必要な場合は利害関係者に訴えてこられた方々の努力で、うさぎ達の生活環境は以前よりも改善されてきているようではあります。
入れ替わり立ち代わりで島に滞在し(もちろん全額実費)、その時に必要な作業をするボランティアの方々もいます。
私は2名の女性の方にお話を聴くことができました。
この島にはそこまで豊富な水源はありませんが、それなりに水分を調達して数を増やしてきたウサギたち。
ところが観光客が持ち込む餌により、必要以上に喉が渇くようになったことと、雨が少ない年があることから、給水トレイの設置をしたそうです。
真水による蚊の発生を防ぐために定期的な交換の必要があるため、彼女たちはカートを引いて、全部で何か所あるか分からない給水トレイの水を交換していました。
野生で生きる動物はみな、いや、ペットでもそうですが、いや、人間だってそうですが、病気にかかる時には病気にかかる運命です。
大久野島のうさぎの場合はカラスですが、何かしら天敵が存在し、傷つけられて命を落とすこともまた野生動物の宿命です。
ただ、観光客が原因で命を落とすことだけは、どの野生動物の場合も受け入れがたい事実に感じます。
人間がむやみに残したエサがカラスやイノシシを引きつけて仔ウサギが狙われる。
人間が配慮のない運転をするために、自転車と衝突して事故死するウサギが増加している。ボランティアさんはこれまでに何度もその現場を目撃しているそうですが、事故死したウサギをその場で放置して去っていく人がほとんどだそうです。
などなど。
いろいろなお話を聞いて、この島の未来のためにこれほどまでに長い間活動を続けている人達がいることを知り、自分も無知な観光客だったと、とても恥ずかしくなりました。
また大久野島へ行くことは確実なので、次回はボランティアさんと一緒に活動することをお約束して島を去りました。
滞在2日間、私はひたすら歩いて、少しでも多くのウサギたちの様子を見ました。
iPhoneの歩数計は合計で42323歩。
電動自転車のカゴに大袋の餌を入れ、適当にばらまいている人達は、私が見た健気に生きるウサギたちの姿は決して見ることはできない。そのような観光客の意識を変えることが、本当に大切だと感じました。
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れおさん
うさキングさん、そうでしたか、地元の方でいらっしゃるんですね。お馬さんの掲示板でウサギさんのつながりが出来て嬉しいです。
次回行く時は歩きながら置きエサ回収もしようと思いました。海沿いの道のど真ん中にペレットが盛ってあったのですが、袋を持っていなかったので、手で別の場所に避けるのが精いっぱいでした。カラスのエサになってしまったかも...悲しいです。 -
れおさん
ふれーめんさん、コメントありがとうございます。
その記事についても...この島を毎日訪れてうさぎの様子を観察研究している方の意見は「自然のサイクルでの減少の年だった」ということです。
もちろんどれが正しいのかは分かりませんが...つい最近のばんえい競馬の記事もそうだったように、人の気を引くために派手に装飾された記事が多くなっている気がします。私達も気をつけないといけないなと思いました。 -
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うさキングさん
れおさんこんばんは。大久野島は私の地元で何回も訪れています。
うさぎさんは確かに可愛いですが、いろいろな問題が起きている事は事実です。知識のない人がうさぎさんに与えてはよくないご飯をあげているのも目撃しました。観光的には成功したと思いますが、うさぎさんが本当に幸せかというと疑問がある。かといって増えたうさぎさんを飢えさせるのも、人間の都合で増えたのだから。どんな生き物でも幸せに暮らして欲しいものですよね。 -
ふれーめんさん
この島の事、よくネットで拝見してました。コロナ禍で観光客が減って食料の確保が難しくなった、とかも聞きました。
生体数が多くなりすぎれば間引くとか、減りすぎれば保護を手厚くするとか
うさぎ達には何の罪もなく、人間の都合で被害を受けているのは間違いないと思います。
れおさんのおっしゃる通り、うさぎ達に恩恵を受けてきたのならば、役所が率先して考えていくのが筋ですよね。今後の政策に期待することしかできませんが、今いるうさぎ達が幸せに暮らしていける事を願っています。 -
ふれーめんさんがファイト!と言っています。
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れおさん
沢山コメントをいただいて、皆様、本当にありがとうございます。
大久野島のウサギは、1970年代に人が持ち込んだ普通のアナウサギが繁殖した子孫たちなので、アマミノクロウサギのような固有種でも絶滅危惧種でもなく、保護の対象にはなっていないのです。
しかも、人間による餌のお陰で、ある程度の数を保ててきたというのも、事実のようなのです。
とても複雑な事情があり、いろんな方面への働きかけが必要だとおっしゃっていました。
ただ、竹原市がうさぎを観光アピールに積極的に利用し、今のような状態に導き、「うさぎの恩恵を存分に受けた」という事実がある以上、うさぎに対して敬意と感謝を表し、それなりの対策を取るのが筋だと感じます。 -
アヴェノチャンスさん
こんばんは!
瀬戸内海にそのような島があるとは知りませんでした。
鹿児島県奄美大島にアマミノクロウサギと言う野生種がいて、
森林開発や人間が身勝手に持ち込んだマングースによって絶滅の
危機に瀕していることを以前知りましたが、環境省や保護団体の
努力により最近は生息数が回復しているとのことです。 -
ガットさん
初めまして。
自然界で生活するのが本来の姿なのでは?と
しかし現時点では人間と共存している。
ならば、人間側が一歩も二歩も譲りうさぎたちが生きやすい環境を作らねば。