ラスカルスズカ、23歳

今日、4月17日はラスカルスズカの23歳の誕生日。
もう、そんな年齢になるのかと、正直信じられない。

名馬サイレンススズカの弟。
兄とは異なり長距離でも安定した成績を残したラスカルは、もしかすると巨大な兄の幻影に捉われながらそれを必死に振り払おうとしていたのかもしれない。
私はそんな彼がいじらしくてならず、好きで好きでたまらなくて、いつか重賞を、そしてG1を勝ってくれることを夢見て、熱心に応援していた。

けれども彼は、怪我もあってとうとう重賞を勝つことができなかった。

種牡馬として、サンレイレーザー、サワヤカラスカル、スズカランクスといった中央のオープンクラスや地方の上級クラスで活躍する子供に恵まれた。
産駒には、主にそのスピード能力を伝えたように思う。
その子供たちもまた重賞を勝つことはできなかったが、今にして思えばそれもラスカルらしかったのかもしれない。

現役時代も、種牡馬になってからも、種牡馬を引退して乗馬になってからも、私はラスカルに何度も何度も会いに行って、しまいには彼のそばにいたくて引っ越しまでしてしまった。

のんびり屋で、寂しがり屋で、レース前のパドックで草を食べてしまうほどマイペースな彼に魅せられた人は多かった。
重賞、G1での2着が2回、3着が4回。
あと一歩、あともう少しなのに、どうしても勝てない。
そんなじれったさもまた、現役時代には大いにもどかしかったけれど、今にして思えばそんな彼らしかったのかもしれない。

今、彼は北海道岩内のホーストラスト北海道で、悠々自適な日々を送っている。
今の場所に移ってからまだ会いに行けていないのが残念だが、元気なうちにぜひ訪問したいと思っている。

ラスカル、誕生日おめでとう。
これからものんびりと、その癒し系キャラで、もっともっと長生きして下さい。