スイープトウショウ

ここ数日来、特に意味もないのに、スイープトウショウのことが頭から離れない。
別にヴィクトリアマイルの過去の優勝馬でもないのに…。

2012年秋、当時所属していたある団体のツアーでトウショウ牧場を訪問させて頂いた。
前にも伺ったことがあるものの、その後現役を終えたスイープトウショウが里帰りしたということでファンによる混乱を懸念し、しばらく見学自体ができなくなっていた。
この時は見学が再開されていたので、お邪魔した。

現役時代、あれだけ気性の激しいところを見せていたのに、故郷では穏やかに過ごしているように（私には）見えた。
もっとも、シーイズトウショウと一緒に放牧すると、すぐに喧嘩になるので別々にしたというのだが。

白い作が鼻梁にまで伸びる美しい顔。
後方からの鋭い脚を武器に、相手が男だろうが女だろうが容赦せずになで斬りにして捨てたあの「魔性の女」の面影は、そこにはなかった。

残念ながらその後トウショウ牧場は閉鎖となり、スイープはノーザンファームに売却された。
ノーザンファームの繁殖牝馬は、原則非公開である。
だから、よほどのことのない限り、私が彼女に会うことはできなくなった。

馬との出会いは、まさに一期一会。
そのことを改めて実感する。

今の私は、スイープのような馬をどこかで探している。
ヴィクトリアマイルに、そんな馬はいるだろうか。
ラッキーライラックに、少しだけ心が傾いているのだが。