オグリキャップの命日

今日7月3日はオグリキャップの9回目の命日である。

2010年7月3日、私は馬友さんと一緒にオグリのいた優駿スタリオンステーションに足を運んだ。
久しぶりに会う彼は放牧地の真ん中で、黙々と草を食んでいた。
小雨が降る中、再会できた嬉しさに、しばし彼の姿に見とれ、シャッターを切った。

「また会いに来るよ」。
そう心の中でオグリに語り掛け、牧場を後にした。

その日が、オグリの旅立つ日になるとは、思いもせずに。

オグリが旅立った後、しばらくの間彼の名前を見るだけでも涙が出そうになって、改めて失ったものの大きさをかみしめる日々が続いた。

現在、彼の過ごした優駿スタリオンには立派な銅像が立っている。
ファンからの寄付を募って建てられたことに、いかに彼がみんなから愛され、かけがえのない存在であったかを感じる。
彼が活躍した時代、それは私の青春時代と重なる。
嬉しかったことも悲しかったことも、顔から火が出るくらい恥ずかしかったことも、みんな彼の思い出とともにある。
そして、あれほどの名馬と同じ時代を生きられたことは、私にとって誇りである。

オグリの孫、クレイドルサイアーが種牡馬となり、今年数年ぶりに種付けを行うらしいとSNSで知ったのだが、無事種付けできたのだろうか。
わずかな可能性とはいえ、稀代のアイドルホースの血統が未来に受け継がれ、彼の血を引く馬が活躍するのは、あの時代熱い思いを抱いた多くの人たちの願いではないだろうか。