自由

自由であることとは、何も制限されるものがないことである。日常レベルにおいて、制限とは、外部から施されるように思える。しかし、元をたどると、その起点が自分自身であることが往々にしてある。

その場合、自分が制限されている状態を自分が選択していると言えるのだが、本人はそれに気づくことは出来ない。または、本心では気づいているものの、見て見ぬふりをする。あるいは、外部からのみ制限が施されていると思い込む。

現代の社会環境は、結果として、我々が自分と向き合う機会を奪っているものと、自身は感じている。それは、自分と向き合うことを妨げていると言っても過言ではない。外部的な刺激や誘惑が多く、いつの間にか、自分でない自分を演じていることにすら気づくことは難しい環境である。

結局のところ、自分が自分に制限を課しているということを気づかせない社会構造を我々が構築してきたということである。それは、意図的にしむけられたものなのか、無意識的に肯定的に我々が強化したものかは不明である。

高度に複雑化されたものに直面した時、我々はその追求を諦める。社会構造が複雑化されればされるほど、我々は自主的な自由思考を放棄するのである。それは、思考的奴隷と言える。