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2019/06/07 01:20
イクナートンの失敗
この世に存在する全ての教えに一貫するものは、統合性である。それは、両極性あるいは二元性を一つに融合させることを指す。本来は、すべてが統合性を持っていたにもかかわらず、何かの原因があって、両極性あるいは二元性の世界を何世紀にも渡り、我々人類が選択してきたとも言える。
第十八王朝のアメンホテプ4世あるいはアクエンアテンことイクナートンは、その『一なるものの法則』を宇宙存在から授かったことにより、当時の多神教を廃止し、太陽神アテンを唯一神として、多数の神々を統合させたと言える。その点において、彼は、今ある世界三大宗教の礎を築いた。
しかし、アテン神はイクナートンのみの神であり、民衆の神はイクナートン自身であるとしたことは、結果として、多神教を信仰していた民衆に混乱を招いたのだろう。民衆は彼を相手にせず、従来の多神教を継続したと考えられる。この点に関しては、天照大神を祀る日本の天皇家と日本国民との関係性にも類似性が感じられる。
彼の改革は、この世界の両極性あるいは二元性を統合させるには至らなかった。一方、今再び、統合の時代を向かえつつある。この機運は、世界的な表層的動きと言うよりは、個人レベルの深部において、高まるべきもののように思われる。彼の失敗から学ぶとするならば、それは宗教によって、決してなされることはないということである。