岡本和真の石松風 「三十石船道中」

♪旅ゆけば?、駿河の道に茶の香り?♪ご存知 森の石松が渡し船に乗り込んでの珍道中我らの奈良の和真が石松に成り変わりまして原親分率いる巨人一家を巡って乗船客と丁々発止とやり合いますさて皆々様お立ちあい、いかなる結末となりますやら東京湾から名古屋港に渡る渡し船に和真が乗り込んで、原親分には内緒だが途中で買った小さな酒樽、ちびりちびりと飲んでおります。乗り合い衆の大きい話し声がどこからか聞こえて参りますその内にプロ野球渡世の話になり、原親分の名前が出るのを今か今かと待っております。広島の緒方親分がどうとかアメリカンマフィアの刺客ラミレス親分が強えとか騒いでおりますと業を煮やした我らの和真、一言かましてやろうと腰を浮かしたかけた時、隣で寝ていた男がばっと起き上がり《お?お?、うるせえな、が?が?騒ぎやがって寝られやしねえおまけに強え親分衆の話になったら、好き勝手なこと言いやがって笑わせやがらぁ、街道で一番強え親分って言ったら巨人組の原親分に決まってんじゃねぇか》酒を飲みながら聞いていた和真も思わずにっこり笑い、持った盃そっと置く。待てば海路の日和あり「お?お江戸っ子、そこの寝起きのいい、若えの一杯飲ましてやるからここへ来ねえ、座んねえ」若いのが、いそいそと来ると「江戸っ子だってな」《神田の生まれよ》「おう飲みねえ、飲みねえ、おめえ今、街道の親分衆の話をしたな」《おう違えねえ》「街道一の親分は、誰と言ったかな」《巨人組の原親分》「あぁ、原親分ってのはそんなに強えか」《なに酒を御馳走になって文句を言いたかねえが原親分はそんなに強えか？とは気に入らねえなセ界のトップに六つの組があるが原親分ぐらい強え親分が二人とあってたまるかい》「飲みねえ、飲みねえ、寿司食いねえ、江戸っ子だってね」《神田の生まれよ》「そうだってね、そんなに原親分は強えんだ」《おう出入りでは負け知らずよ7回もセ界征服してんぜけど原親分だけが強えんじゃねえ》「まだ他に強えのがいんのか」《出入りに勝つには子分衆が揃ってなきゃいけねえや》「おう子分かい、嬉しいこと言いやがらぁ、飲みねえ、飲みねえ、寿司食いねえ江戸っ子だってねぇ」《神田の生まれよ》「じゃあ聞くが、原親分の子分衆の中で一番強えのは誰だか知ってるかい」《そら山椒は小粒でもピリッと辛いキャプテン坂本に決まってらい》「あ?、やっぱりあの人には敵わねえなで二番は誰なんでえ」《そりゃ組の屋台骨と言やあ慎之助だいぶし銀の存在感ってもんは最高だぜ》「そりゃそうだ、納得せざるを得ねえなで三番は誰でえ」《そりゃ今年、鯉組から原親分に請われて来た丸だろうよ》「慣れねえ組でも実力発揮しているしな、出入りの時には親分までポーズを作って出迎えるしなで四番は誰なんでえ」《めんどくせえな、次は亀様、仏様と慕われてる亀井だよ》「お?お?段々下がって来やがる俺は5番だな」《次はアメリカンマフィアからの助っ人ゲレーロ、状態よくてTシャツまで作っちまったぜ》「調子イイからな最近、そんで次こそ俺か？」《あんなぁ、打ち方だけで話してるけどよ投げ方にも菅野や山口とかスゲエのがいるんだぜ今年売り出し中の遠山桜の桜井なんて強くなったもんだぜ》「出て来ねえな、この野郎、俺を知らねえな飲んだ酒返せ、寿司食うの止めろってんだ原親分の子分の中で肝心なのを一人忘れてやいませんかってんだ」《いたかなぁ、その他に強え奴って、お?っ、一人忘れてた》「そうこなくっちゃ、そいつは誰でえ」《奈良の和真だ、しまったいの一番に名前をあげなきゃいけなかったぜ》「やっと出たぜ飲みねえ、飲みねえ、寿司食いねえ。小遣いやっちまおうかな」《あんな強えのは巨人組に二人といねえ》「そうかい、そんなに強えかい」《強えなんてもんじゃねえぜ、チャンスで併殺打を打っても三振してもまったく動じない鉄のハートを持った強え男だぜ》「おめえ、褒めるふりして悪口言ってんじゃねぇのか飲んだ酒返せ、寿司食うんじゃねぇ」笑いの内にこの船が無事に名古屋港に着きました今度の出入りは絶好調の竜組の本家に殴り込みをかけますが我らのヒーローで愛されキャラの和真が必ずや巨人組を勝利という港に導いてくれることでしょう丁度時間となりました。ちょっと一息願いまして、またのご縁とお預かり