空想架空小説『時をかける和真2』

『第1話』
2021年の秋季キャンプ、我らが岡本和真はグランド整備用の通称『燃える男の赤いトラクター』を運転してジャイアンツ球場のグランド整備に汗を流していた。このシーズン、巨人はオリンピックで休止するまではヤクルト、阪神と三つどもえで優勝争いをしていたが、再開後に一気に奈落の底に沈み借金1の3位に終わりCSファイナルステージでもストレートでヤクルトに敗れ悔しいシーズンを終えていた！岡本は2年連続で2冠王に輝き初のゴールデングラブ賞を受賞して満足しているかと思いきや、リーグ優勝できなかったことを誰よりも悔しがり、脇腹のケガでCSに1試合も出られず、チームに何の貢献もできなかったことに忸怩たる思いを抱えていた。せめてもの罪滅ぼしというわけで今日もグランド整備に励みながら、ふと前に自分に起こった不思議な体験のことをボンヤリ考えていた。今でも夢かと思うその体験は前年、屈辱の最下位に沈んだ長嶋ジャイアンツの2年目開幕前にタイムスリップした岡本が世界の王選手とOO砲を組み長嶋ジャイアンツを初のリーグ優勝に導いた白日夢のような経験だった！『あれ、燃えたよな』と思った瞬間に一陣の風が吹き『赤いトラクター』が猛スピードで走り出した！あっという間にバックトゥー・ザ・フューチャーのデロリアン並みのスピードとなり外野フェンスにぶつかる瞬間、目の前の空間がグニャグニャになり和真は気を失った！ …続く