矜持

今の会社に勤めて､10月で3年目になる｡ちなみに職場は､路線バスの室内の清掃｡外で仕事がメイン｡

正確には､いつ頃からだろう?何がきっかけだったのだろう?同僚たち(…と言っても､1人を除き､皆歳上のオバサンたちと婆さん｡)と班長(婆さん)から､村八分扱いを受けるようになった｡ 5月過ぎた位から､気付いたら､そうなっていた｡今､3ヶ月目くらい｡

班長の指示を聞かずに､行動したから?
(自己判断で､自分が積極的に動いた方が早いと感じ､動いた結果が裏目に出て､結果､班長に叱責され)

仕事のスピードが誰よりも遅いから?
(早くやろうと頑張ってみたら､今度は｢手抜きしないでくれる?｣と班長が叱責｡それで､丁寧に作業したら､｢まだ､それだけ?何やってたの?｣と又､叱責)

休憩時間を少しだけ削って､皆に追い付こうと頑張って仕事してみたら､｢皆が休んでるのに､１人だけで勝手に仕事しないで｣と叱責｡
結果､自分は｢班長の指示も聞かず､勝手に動く上に､ろくに仕事も出来ない奴｣と言うレッテルを貼られて､同僚からも､村八分扱いされるようになった｡
今時の若者言葉で言う､｢バブる｣と言う奴だ｡

当人たちは多分､自分たちが此方に対して､やっている事が｢女子高生レベルの今時の虐め｣と同レベルと言う自覚は全くなさそうだ｡
色々あって､身内無し､独身､ヲタクで､恋人さえ居ない自分なんかと違って､虐めや人間関係での辛い目になんて1度もあったことがなさげな､リア充で極普通の､夫と家族たちに囲まれて幸せに生きてる連中だから｡
内心､日々孤独死に怯えて生活している自分なんかとは､そもそもが、違う星の人種なのだ｡

そんな劣等感に苛まれながら過ごしている最近､仕事中に熱中症寸前になりかけて､倒れた｡

早退して､迷惑も多大に掛けてしまったので､仕方なく､本当は嫌だったけど､謝意を示した｡

その翌日､早退した甲斐もあって､平気に仕事が出来た｡

そして数日後､班長曰く
｢熱中症になったのに､翌日に出てくるとか､おかしいでしょ｡無理して会社に出て来るなら､休んでて｣と｡
確かに倒れたのは事実だが､完全に熱中症になった訳ではなく､あくまでも｢なりかけ｣で､早退して､休んでたら具合が良くなったから､出てきただけなのに…｡迷惑掛けてしまったので､悪いと思って､体調も平気だったから､出てきただけなのに…｡

どうして､そんな言い方をされなくてはいけないのか?当人は多分､一応は心配してるつもりなんだろうけど｡

刹那､心の底から､｢このクソなリア充共､全員今すぐ爆死してくれねぇかな?マジで｡それか､全員同時に重篤な熱中症か､重篤な食中毒にでも罹患して､ずっと会社に来れなくなっちまえば良いのにな!!｣と思った｡おくびに出さず､上っ面だけは､苦笑いして誤魔化していたけれど｡

今の仕事は､外で仕事がメインだから､夏暑くて､冬寒い､ろくでもない仕事だけど､作業に慣れてしまえば､１人で気楽に出来るし､そこが好きな仕事だから､出来れば辞めたくない｡

辞めたところで､再就職は年齢的に難しいだろうし､生活出来ないだろう｡

このまま勢いに任せて辞めたら､間違いなく自分の負けだ｡

いっそ､趣味と思考と嗜好と志向が合う､半端なく金持ちな異性と結婚して退職するとか､有り得ない奇跡が起きたら､面白いだろうけど､多分1万回位､輪廻転生繰り返しても､その可能性は残念ながら､自分には1ミクロンぽっちも無いと思う｡

つまらない意地を張らず､退職してしまうか､クソなリア充共の中で頑張って､笑って誤魔化して､中に混ざってしまえば楽なんだろうけど､自分の中では､それだけは絶対に死ぬまで許せないという矜持が､まだ燻っている｡

そのなけなしの矜持に懸けて､また明日も頑張るしかない｡

今日は給料日で仕事休み｡虚勢でしかないけど､職場に寄って､班長に借りた千円(給料日前に倒れ､ろくなもの食べてなかった為か､班長が寄越した｡嫌だったけど､受け取るしかない状況だった)を倍の2千円にして､耳を揃えて返済して､他の連中に差し入れ(嫌だけど､奮発して､ハーゲンダッツ)しておくとしよう｡

…本当は､マジで嫌なんだけど､自分の矜持に懸けて｡