祝！キタサンブラック

忘れられないレースがいくつかある。そのうちの一つが2017年の第58回宝塚記念。初めて現地で見る阪神競馬場でのG1レース、そして強豪たちの面々。午前中の雨も昼からやんでいたが、芝は稍重、ダントツ1番人気に支持されていたキタサンブラックの勝利をほとんどの人が確信していたと思う。パドックでは、むしろキタサンブラックの後ろを歩いていたサトノクラウンの方が、落ち着きがない様子だった。やがてレースが始まり、最終コーナーを回りこれからキタサンブラックが先頭に立とうかというゴール手前数十メートル、キタサンブラックは、ズルズルと後退、着外に沈み、目の前では信じられない光景が繰り広げられたのである。その歴史的と言ってもいい場面に立ち会った何万人もの観客の歓声が一瞬で静まり返ったことを3年たった今でも忘れられない。その後のレースでは、天皇賞(秋)で雪辱を果たし、有馬記念でも有終の美を飾る。勝っても負けても印象に残る馬だった。顕彰馬選出おめでとう！