第63回有馬記念　〜　オジュウチョウサンが走った日(2018.12.23)

年末の大一番、有馬記念まで、あと2週間ほどになりました。
今回は思い出に残る有馬記念の特集です。

この当時、障害競走界で頂点を極めて「絶対王者」と言われた
オジュウチョウサンが、一度は諦めざるを得なかった平地競走の、
しかも頂点とも言うべき、G1レースの鞍上を武豊J.にして
出走したという、前代未聞の出来事が起こったのが、
2018年の第63回有馬記念であった。

小雨に煙る中山競馬場、その日は昼過ぎごろから、曇り空から小雨へと変わり、
芝の状態も9レース目になると「良」から「稍重」に変化していた。
メーンレースの頃は、屋外の観客のほとんどは傘も差さず、
この日の大一番が始まるのを、今かと待ち望んでいた。

生ファンファーレのあと、スターターが旗を振り、スタートが切られた。
スタート直後の先頭争いのあと、川田J.騎乗のキセキが先頭に立ち、
２番手にミッキーロケット、３番手に独特の低い姿勢の走りが特徴の
オジュウチョウサンらが続き、全16頭による中山芝2500ｍ、
長丁場の幕が開けた。

キセキは、最初の1000ｍを1.00.8のペースで走り、その後も約３馬身ほどの
差をつけてミッキーロケットらを離した状態が、しばらく続いていた。
勝負どころは、最終コーナを回ったラスト200ｍ辺りであった。
逃げるキセキを追う３番手のオジュウチョウサンが一瞬、
キセキの直後まで迫ったが、彼が伸びたのはそこまで。

それから後続勢がどっと押し寄せて来て、キセキまでも飲み込まれ、
レース中に中団にいた、池添謙一Ｊ.騎乗の３歳牡馬ブラストワンピースが、
並みいる強豪勢を押えて接戦を制した有馬記念であった。

【主な出走馬の着順】
優勝・ブラストワンピース（牡3）
２着・レイデオロ（牡4）
３着・シュヴァルグラン（牡6）
４着・ミッキーロケット（牡5）
５着・キセキ（牡4）
６着・サトノダイヤモンド（牡5）
９着・オジュウチョウサン（牡7）
10着・マカヒキ（牡5）

また、このレースを最後に引退した、G1馬のサトノダイヤモンドら４頭がいた
ことも記憶にとどめておこうと思う。

※写真は2018有馬記念のゴール写真、JRAのホームページから