その日　〜　そして明日へ

その日は、静かに訪れた。
昨日までは、台風並みの春の嵐が吹き荒れて
人びとを困らせていたが、今日は朝から
晴れの日。
どこまでも清々しいばかりの青い空。
その男は、静かに訪れたその日に感謝した。

そう、「責任」という重い荷を下ろして　
身軽に成れたその日。
人びとは言う「長い間お疲れ様でした」

不思議と涙はなかった。
長年の苦楽を共にしてきた仲間たちとの別れ。
そして、支えてくれた家族のねぎらいの言葉。

その男は、静かに過ぎたその日に感謝した。

そして来週から、また別のステージが待つ。

　
仕組まれた自由に　誰もきづかずに
あがいた日々も終わる
この支配からの卒業
たたかいからの卒業
　　　　　尾崎豊　「卒業」