【追悼】貴婦人・ジェンティルドンナ号へ捧ぐ

今日の昼過ぎに、名牝ジェンティルドンナの訃報に接しました。
私の中では、2012年のジャパンカップでの一戦が名勝負として、
今でも印象深く残っています。

第32回ジャパンカップ〜オルフェーヴルとジェンティルドンナの闘い

今を去ること13年前の2012年11月の秋晴れの日、
東京競馬場で行われたジャパンカップでは、
稀にみる熱戦が繰り広げられたのである。

当時17頭の出走馬中、国内馬が12頭出走しており、
うち、2012年の時点でG1を制した主な出走馬は
次の８頭であった。

・ビートブラック（牡５）
・エイシンフラッシュ（牡５）
・オウケンブルースリ(牡７)
・ローズキングダム（牡５）
・ルーラーシップ（牡５）
・ジェンティルドンナ（牝３）
・トーセンジョーダン（牡）
・オルフェーヴル（牡４）

一方、海外から参戦した5頭の中には、
凱旋門賞・優勝馬のソレミア（愛・牝４）などが出走していた。

この年は、国内外から実に錚々たるメンバーが東京競馬場の
芝2400mの舞台に集結していたのである。

さて、レースであるが、各馬のポジションの探り合いで始まり、
逃げ馬のビートブラックとトーセンジョーダンのつばぜり合いから、
ビートブラックの単騎逃げへと展開して行った。
ゆったりした流れの中で2番手トーセンジョーダン、
3番手にジェンティルドンナと続き、中団後ろをオルフェーヴルが
走っていた。

最終コーナー手前になり、ようやくオルフェーヴルが動き出し、
1,2番手へ迫る。
オルフェーヴルと呼応するようにジェンティルドンナも動き、
ラスト200mで２頭は逃げるビートブラックを捉えた。

それ以降の展開はご存知のとおり、
オルフェーヴルとジェンティルドンナによるどちらも譲れない、
体を張った激戦が繰り広げられたのである。

進路妨害などの審議があったものの、ハナ差で叩き合いを
制したジェンティルドンナが1着、オルフェーヴルが2着となる。
以下、3着にこれまたハナ差を制したルーラーシップが入り
勝負は決した。

その時、晩秋の優しい日差しが熾烈な競走を終えた強者（つわもの）
たちを労わるように長い影を落としていた。

※2021年のMy投稿を再編集した。R.I.P.