僕は競馬をギャンブルだと思っていない。

僕は競馬をギャンブルだと思っていない。

金を儲けようとも思っていない。
そもそも、競馬なんて続けていたら絶対に負けると思っている。

じゃあ、なんで競馬をやるのか。
それは、僕が馬と馬に関わる人たちのドラマに感動するからだ。
だからこそ好きな馬はずっと応援する。
好きな騎手も好きな厩舎もずっと応援する。

でも、だったら金掛けずに応援すればいいと人は言うかもしれない。確かにその方が金を失う心配もないし、安全だ。

だけど、それじゃ、熱くなれない。
僕もその馬と一緒に走っている気分になれない。
僕が金を掛けるのは、騎手と一緒にその馬に乗って走っているんだという思いを共有するための参加料だと思っているからだ。

そして、昨日のホープフルは僕の中で一年の総決算だった。
来年のクラシック、川田騎手とともに歩んでいける馬かどうか、それを確かめるためのレースだった。

いつもは１レースに１万円もかけない。お金が大事だってことは良く分かっているからだ。１万円稼ぐことが大変だってことを知っているからだ。

でも、昨日だけは、全部賭けた。
ブックメーカーの残高３万円とパットの残高３万円全部かけた。
人から見たら、たった６万円かというかもしれない。
でも、僕にとっては大変な金額だった。

だから本当に緊張した。
レース中、本当にダノンザキッドに一緒に走っているような気分になっていた。
だからこそ、勝った瞬間、叫んだ。
だからこそ、川田の涙に、僕も涙した。

競馬はドラマだ。
それを改めて感じることができた最高の日だった。