金子みすゞさんの詩

こだまでしょうか


「遊ぼう」っていうと

「遊ぼう」っていう。


「馬鹿」っていうと

「馬鹿」っていう。


「もう遊ばない」っていうと

「遊ばない」っていう。


そうして、あとで

さみしくなって、


「ごめんね」っていうと

「ごめんね」っていう。


こだまでしょうか、

いいえ、誰でも。


『金子みすゞ名詩集』（彩図社文芸部/編　彩図社）
P20「こだまでしょうか」より

-----------------------------------------
この詩を覚えていますか？
東日本大震災の後、企業のCMが極端に少なくなって、
この詩を女の人が感情をこめて朗読していました。

この時は金子みすゞさんの詩だとは知りませんでした。
後になって作者が分かり、ずっと昔の人が創ったと知り
驚きました。

なんて、瑞々しい詩なんだろう。難しい言葉は使っていませんが、
人の心を的確に表現していますね。