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2021/11/17 12:43
浪漫のカタチ
競馬のケの字も知らなかったのに、彼に魅了され産駒達に夢を馳せるようになり、名前をチラホラ覚えられるようになった。
彼に対してとりわけ心惹かれたのは、やはりその浪漫溢れる血統の歴史という点が大きかった。
新馬戦、未勝利戦の豪脚で俄に注目を集め、その風貌(芦毛、流星、鼻ピンク、しっぽ赤リボン、右後ろ足靴下)、尊大さを纏う雰囲気が父に似ている、と言わしめている、薔薇の名を持つ彼女もまた、浪漫溢れる血統だそうだ。
名馬の血を交わらせ、代々遺し繋いでいく、ということが如何に困難であるかは歴史が示す通り。想像を絶するものだろう。
そして、名馬の血を継いだ輝ける馬が歴史の表舞台に現れるということは、血と汗と涙と多くの屍が積み上がる、残酷で無情な裏舞台が必ず存在するということ。
人を妖しく引き寄せる煌びやかさ、浪漫は、そういうものかも知れない。
なかなか業が深い。