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2014/01/31 08:56
ディンヒルには逆らえない
ヒマな時間ができますと専門誌のバックナンバーを読み返します。
だいたい1〜2年前ぐらいのがちょうどよくて
例えば、その当時の2歳馬の寸評、レース結果の騎手のコメント、
他には、リーディングサイヤー、レースの勝ち馬の血統、
海外レースの勝ち馬の血統など、
現在と照らし合わせるのは楽しいひとときです。
特に海外の勝ち馬の血統を見て、あらためて、驚いたのは
ディンヒル系のめざましい活躍。一時のサドラーのような感じで
ほぼステークスウィナーを含め重賞でも8割型 ディンヒルの仔が
勝ち馬になっているといっても過言でないくらい めざましい活躍です。
6〜8月ぐらいの欧州シーズンの真っ只中の勝ち馬がディンヒル系。
直仔も含め2代牝系にはいって3代でも活躍ぶり目立ちます。
ディンヒルは
ダンチヒ〜ヒズマジェスティ〜バックパサー〜ナタルマと
再びノーザンダンサーの母に帰結する血統です。
ミッキーアイル、アフォード、アデイインザライフと年末年始に欧州系の重い
中山の馬場で活躍したお馬の 骨格を成す血統です。フェノーメノの母父で
凱旋門賞であっといわせた、ナカヤマフェスタにも見られます。
紐解くと、ダンチヒ自体はスピード馬の印象があります。
単純にノーザンダンサーのスピードに突出した馬と90年代の評価記事の記憶が
あります。実際にビコーペガサスやアグネスワールド、ヤマニンパラダイスのように
マイラー、スプリンターもしくはスピードの勝った早熟馬、のイメージが当時
の記憶にも印象深いお馬達でした。
でも、現在10年代のケイバでは ジェンティルドンナのように距離が伸びても
万能的に持続するスピードがあらためて再評価するところですし、
なにより遺伝力が強く、他のノーザンダンサー系の種牡馬と同じく
強い影響を残しています。
また、その遺伝力の強さも驚きです。
ダンチヒ自体はそれほど良血でもなくむしろ上記のようにノーザンダンサーの
スピードだけを抽出したイメージだったのですが 直仔や2世代目の活躍を
みるに、ノーザンダンサーの万能性をそのまま受け継いでいると感じます。
もちろんその完成形がディンヒルでナタルマの3X3で完全に帰結しています。
つまり、ディンヒルそのものが新しい時代の『ノーザンダンサー』といっても
過言ではないと思いますし、実際に欧州戦線ではサドラーの王朝を切り崩し
新たなる覇権を握ったといってよいほど活躍と実績です。
日本でもノーザンダンサーの多重クロスの活躍馬が目立つようになりました。
ノーザンダンサー自体が血統表の4代5代となり時代から遠のきつつあります。
それなら、ノーザンダンサーの『復刻版』ともいうべき完全な個体であり
遺伝力の強いディンヒルの方がこれから2代3代目で血統表でお目にかかる日が
日本でも多くなりそうです。
ただ、上記のように重い馬場という注文が入ります。
それでも 軽い馬場のサンデーが飽和状態である今、いずれディンヒルの
血はよい中和剤もしくは起爆剤として爆発的な化学変化を起こしそうです。
それがどのような血統表になるかは楽しみなところですが、
ひとたび重い馬場になれば 中山で活躍した上記の3頭のように活躍できるポテンシャルを
持っているだけに1997の1世代限りプレミアム世代は
これから希少価値 まさにヴィンテージイヤーとなりそうですね
ポスト、ノーザンダンサーのディンヒルには逆らえない。