NHKマイルカップ雑感

前後半で分けると47.2-46.3では極端では無いものの，スローペースである事には違いないであろう。ここで先行して脱落した馬は，残念ながら現況力量不足であった事になろう。

一方で上り最速を残したミュゼスルタンとアヴニールマルシェの敗因は，道中の位置取りと言う事になるであろう。ただ道中の位置取りが敗因とは言っても，その位置取りとなった理由は異なる。アヴニールマルシェの北村宏騎手はスタートを「出てくれた」と語っているが，それは対自己比であり他馬と比較すればやはり出遅れ気味と言わざるを得ない。結果，位置取りが後方となったと考えられる。ところがミュゼスルタンは他馬と互角のスタートをしており，一種戦略(折り合い重視)であの位置取りを選択したものと推測する。そうすると柴田善臣騎手としては残念ながら不満の残る上りでは無かっただろうか?

対してアルビアーノはこのペースを利用してレース巧者ぶりを発揮した。確かにスローペースではあったが，初めての牡馬混合重賞をそれまでの勝ちパターンと異なる2番手で粘り切った事は，今後にもつながる結果であったのではなかろうか。

そしてクラリティスカイである。前走，逃げて「しまった」が，距離が短縮した事によりギリギリ折り合いを付けたと言うところか。ただ横山典弘騎手が語るほど引っ掛かった様にも見えないが，それが騎手の腕なのであろう。まあ，ゴールドシップよりは気楽か(笑)。

いずれにしても，全く同じ，メンバーで，馬場状態で，各馬の状態で，馬番で，それでいて再度ゲートを開いたら，スタートダッシュのほんの僅かな違い，道中の息の入れ具合，カカリ具合…，諸々本当に少しの違いで上位の順番は変わるものと思える。