ラグビーワールドカップ日本代表全試合終了

3勝したものの決勝トーナメント進出は果たせなかった。いみじくもMan of the matchに選ばれてインタビューを受けた五郎丸選手の涙が全てを物語っている。

3勝した事は事実であり実力の向上が図られた結果である。一方で決勝トーナメントに進出できなかった理由である勝ち点が及ばなかった事。これもまた現在の日本代表の実力を示した結果である。先ほど終了したばかりの対アメリカ戦も10点差の勝利でしかない。確かにほぼ終始リードしている状態で余裕はあったかもしれないが，それでもボーナスポイントを得られる4トライに達する力も持ち合わせていない。よってスコットランドの勝ち点差2が付いたのは，それがそのまま彼我の差と認めざるを得まい。

今大会は終了であるが，それは同時に次大会への開始でもある。五郎丸選手が再三口にした「目標はベスト8」が何ら夢物語でないどころか，ホスト国としての責務とさえいえる位の現実味を帯びて来た。しかしだからこそベスト8への道は更に厳しいものになるであろう。対戦チームは日本を格下相手と見ずに来るからである。そしてそのような状況下で，今回の様な接戦となれば，相手にはボーナスポイントを与えずに，逆にこちらは奪える力を付ける必要がある。それには今まで以上の練習が必要となろう。そしてそれに耐えられ選手のみが代表選手として選ばれるからこそ，尊敬の念をもって称えられるのである。

今大会を良く戦ったと賛辞する事は控えたい。それは五郎丸選手をはじめ，更なる高みを目指していた選手達に失礼な事と思えるからである。しかしこれまでのワールドカップを遥かに凌駕する喜びを与えてもくれた。それに対して最大級の謝辞は贈りたい。

有難うございました。そしてお疲れ様でした。