高松宮記念雑感

32.7-34.0。衆目一致するところのハイペースで終わったレースですが，一週間前にこの勝ちタイムを予想した人はいたでしょうか?通常であっても遅めの勝ちタイムとなり易い中京競馬場。それが京都競馬場と同タイムになるとは。以前から年に何日間か通常よりは速いタイムが出る事がありましたが，ここまで極端な事はありませんでした。かつて90年頃に行われた阪神競馬場の馬場改修工事直後に極端に時計のかかる馬場となりましたが，それもこのような変化ではなく経年で高速化になりました。今後も中京競馬場がこのように日替わりで変化するような馬場でしたら，それこそ前売り投票等は例え天気予報が100%であったとしても買えたものでは無いでしょう。

さてこのハイペースを引っ張ったのはローレルベローチェ。これも人気と乗り役からすると十分考えられました。そして二番手がハクサンムーン。しかもハクサンムーンの前走の前半3Fは今回のローレルベローチェと同じ32.7。通常の中京競馬場ならとてつもないハイラップですから潰れても仕方がありませんが，今回はレコード決着の馬場。やはり二番手は辛いのかと思いきや，昨年は二番手からあのエアロヴェロシティの二着。謎としか言いようがありません。

そうするとやはり一番厳しい競馬だったのがミッキーアイルと言う事なのでしょう。ただ完全なスプリンターと言うよりもマイルよりの同馬にとって，これだけのハイペースならばむしろ最後のスタミナ勝負に持ち込んだ方が良いかもしれませんので，あながち悪い展開では無かったのではないのでしょうか?むしろやはり距離適性と言う事なのでしょう。

そして勝者のビッグアーサーですが，これだけの勝ちっぷりを見せられると，何でたかがG3戦にもたついたのか不思議でなりません。例え少々の不利があっても，G1でこれだけの完勝劇を演じられるのですから。ただ逆に考えればこれだけの馬でも負ける事があるので，競馬はギャンブルとして成り立っているのでしょう。今後は既に世界競馬地図から消え去ったプリンスリーギフトの復興を果たしてほしいものです。そのために国内では，7Fは当然の事ながら8F戦でも勝ち負けして貰いたいものです。