平尾誠二氏逝去

テレビでラグビーネタになると必ずと言って良い位使われるBGMが，スクールウォーズのテーマ曲。個人的には嫌いな番組でしたが，そのモデルとなった伏見工業高校で氏は活躍されました。しかしさほど高校ラグビーには興味も無く，氏の存在をはっきりと認識したのは同志社大学入学後でした。

当時の大学ラグビー，と言うよりも日本ラグビー人気は早慶明のほぼ3校が全てで，実際に大学選手権もこれら3校の持ち回りの様なものでした。その中で同志社大学は唯一関西の大学で向こうを張っていましたが，それでもなかなか優勝は困難なものでした。

それが氏が入学後に3連覇を達成して一気に大学ラグビーの頂点どころか中心に位置する様になりました。卒業後は同志社大学そのものは落ちては行ったものの，その代わり法政大学が復活したり新興勢力と呼ばれる各校が活躍する様になり，早慶明のみに偏った縮図は解消されました。

神戸製鋼入社後は，新日鉄釜石時代に終焉をもたらせて神戸製鋼の時代を築く事になりました。そしてそれは日本代表の顔を松尾雄治氏(不動のSOとCTBメインと微妙に立場は異なりますが)から引き継いだ事にもなりました。氏の日本代表で出場した試合には，スコットランド戦の歴史的な勝利や先の大会前の唯一のワールドカップ勝利のジンバブエ戦がありました。しかしそれらは単発的であり，昨年のワールドカップでの躍進の様な実力の向上とは言い難い勝利でした。

現役引退後も平尾プロジェクト等，日本ラグビー発展に尽くしていたようですが表舞台からは遠ざかり，すっかり姿を見受け無くなったと感じていたところへの訃報でした。ワールドカップ日本開催前の旅立ちは無念かもしれませんが，冥途の土産として先の大会で2勝を捧げられたのは，せめてもの慰めかと思います。

ご冥福，お祈り致します。