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2017/01/05 05:26
メイセイオペラ雑感[その4]
’99年1月31日。唯一無二の日は晴天であった。1番人気は僅かな差でワシントンカラーであったが,前年のダート交流重賞を逐一見ていた者からすれば,アクシデントが起きない限り2番人気となったメイセイオペラが勝利するものと確信を得ていた。前年,メイセイオペラが後塵を拝した馬は,アブクマポーロ以外に,バトルライン・トーヨーシアトル・テイエムメガトンの3頭であったが,バトルライン・トーヨーシアトルは南部杯・帝王賞でその関係をひっくり返していた。またワシントンカラーも1600m戦は未勝利であり,前年のフェブラリーSも4着に敗退した馬であった。一方でメイセイオペラは初の東京競馬場が危惧されていたものの,関東遠征そのものは大井・川崎競馬場で経験済みであるから,前年の南部杯にアブクマポーロが盛岡競馬場遠征時した際に生じた「山中なので放牧と勘違いしたらしい(菅原勲騎手談(笑))」と言う,環境の違いによる戸惑いの恐れも小さかった。
当日,私は当時付き合いの深かった友人からいつもの如く馬主席へ誘われ,そこで観戦する事になった。その眼前で繰り広げられたレースは,その日の天気の様に澄み切った晴天そのものの様相であった。同時にそれは積もり積もった溜飲を下した時でもあった。
その後に行われた表彰式は,歴史浅いG1レースとは思えないほど数多くの歓喜の中で盛大に行われた。そして11年後に行われたプレミアムレースでメイセイオペラの名前が記された事も,この勝利が多くの人々の心に刻まれた証であろう。
了