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2017/10/21 09:56
ビッグアーサー雑感
引退発表・登録抹消からかなり時間が経ってしまいましたが,腰痛もかなり癒えて来たので今更ながら…
この馬の存在を知ったのは,多くの人と同様に3連勝目を飾った岡崎特別でした。当日,2レース後に行われる高松宮記念の勝ち時計に遅れる事,僅か0.1秒。同レースの同タイムの2・3着馬が,ハクサンムーンにミッキーアイル。この結果のみでG1とは言わずとも,重賞勝ちはかなり現実味を帯びたものかと思います。因みに2着に負かしたのが同レース後,3連勝で函館スプリントを勝ったティーハーフでした。
一方,ビッグアーサーは2連勝して進んだ3戦目が初重賞の北九州記念。そこで初めて後塵を拝したのが同じサクラバクシンオー産駒のベルカントでした。しかも同斤量でしたのでセックスアローワンスを考えれば2kgのハンデを貰い,それで0.2秒もの差を付けられる完敗でした。とは言え,ベルカントは既に2歳時から重賞を毎年勝ち続けてこの勝利が4勝目のもの。経歴に引っ掻き傷が付いたものの大きな痛手にはならないものと思えました。
ところが,陣営がどの様な理由でキーンランドカップへ向かわなかった分かりませんが,この2着での敗戦と共にそれが理由で賞金不足となり,同年のスプリンターズS除外の憂き目に遭ってしまいました。ここから微妙に冴えないレースが続いてしまう様になりました。
次走のオープン特別は圧勝したものの,続く京阪杯はベルカントには先着するも同じ重賞未勝利馬サトノルパンに競り負けて,父がノースフライトに完勝した1400m戦ではその域には及ばず,更に大外枠とは言え国内で生涯最大差によるシルクロードSと敗戦を重ね,ついにこの頃になると岡崎特別勝利後の妄想は消え去り,切実な思いでの重賞勝ち祈念となりました。
そして迎えたG1高松宮記念。鞍上にはドバイ行きのリアルスティールから降ろされた福永騎手おりました。既に前走から息子を降ろした流れなのか分かりませんが,リーディング上位陣騎手で挑みました。
前半,先行馬の後ろに位置して折り合いを付け,直線に入ると馬場真ん中に持ち出してあっさりと他馬を差し切ってしまいました。これが騎手の差なのか分かりません。単にスタート良く出られて自分よりも早く行く馬がいてくれたから折り合いを付けられたのかもしれません。そして先行しておりますので前を行く馬も少なく,直線も長いコースですから馬場中程へ出せたのかもしれません。とにかく,誰もが思い描くコース取りを福永騎手はビッグアーサーを導いて,重賞勝利兼G1勝ちを与えてくれました。
残す目標(私個人からの視点ですが)は,父が連覇したにもかかわらず,産駒は未勝利なスプリンターズSでの勝利でした。そしてそれはセントウルSで「逃げ切り」勝ちと言う競馬で最も安全な勝ち方を得た事で,手中にしたものとしか思えませんでした。
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同じサクラバクシンオー産駒のグランプリボスは,浮沈の激しい競争歴の中で色々な想いを与えてくれました。それはビッグアーサーからは得られないものでした。しかしビッグアーサーは1200m戦と言う父が最も活躍した路線を継承してくれたが為に,父の残像は彼からの方が多く見えました。だからこそスプリンターズSでの敗戦は,グランプリボスでの敗戦よりも重く厳しく感じさせられました。個人的にはまだ,何とか来年も挑戦して貰えなかったのか,と言う思いはあるものの,血脈さえ残せば復活劇もあり得るので,それに期待したいと思います。
謝意…