JC雑感

前中後半を4Fずつに分けると48.4-48.4-46.9。けっしてハイペースではありませんが，先行有利となるようなレベルでのスローペースにもならず。展開の有利不利では論じられないペースだったかと思います。

その中で35.3の上がりで3着に敗れたキタサンブラックですが，自信は上がり勝負が得意とは言わなくても，実際にシュヴァルグランとの上がりの差は去年のJCから常に0.3秒以内でしたので，今回の0.6秒差と言うのは「いつも程の粘りは欠いた」と言わざるを得ません。それが，天皇賞秋のせいなのか，落鉄のせいなのか，はたまたテイエムオペラオーの5歳時と同様に有馬記念敗戦の序章なのか分かりませんが…

2着に入ったレイデオロですがジェンティルドンナ以来の3歳馬制覇にはならなかったものの，実は私的スピード指数でいまいちだったにもかかわらず，まずまずの好時計での好走ですから東京優駿での時計の遅さはたまたまであった事も証明したものと言えましょう。

逆に東京優駿を上回る好時計勝ちを優駿牝馬で収めたソウルスターリングは，馬場差はあれどその時の時計ほどにも走れませんでした。道中かかり気味だったとのデムーロ騎手のコメントもありますが，藤沢師は牡馬との力量差にも言及しており凱旋門賞どころか来秋はエリザベス女王杯へ向かう事さえ示唆しました。まだ1年も先の話ですが，次走が試金石でしょうか?

そして個人的にはすっかり善戦マンのイメージがこびりついてしまっていたシュヴアルグランですが，キタサンブラックが微妙な敗戦とは言え2着に水を空けましたから堂々としたG1馬と言えましょう。また私的スピード指数もキタサンブラックを上回っていたので展開次第という点も考えられますが，やはり勝ち切れるという点ではまだ信頼しきれない所があります。有馬記念で注目したいと思います。