フェブラリーS雑感

前後半4Fのラップが45.8-49.2と完全に先行馬壊滅が決定づけられている様なレースで，インカンテーションの後ろに付けてなおかつ上がりで見劣ったサンライズノヴァは完全に力負けだったのでしょう。ただまだ4歳馬。先の長いダート路線ならばまだまだ上がり目に期待したいです。

上位馬3頭は「行かなかった者順」でしたが，果たしてインカンテーションがこれ以上控えても良績を残せたかは疑問です。よって三浦騎手は最良の騎乗であったと思います。

一方でゴールドドリームですが，インカンテーションを見ての早仕掛けだと思うのですが，手ごたえが怪しくなったテイエムジンソクを追いかけて末を無くしたのであれば，それこそ「上手の手から水が漏る」を地で行ったしまったと言わざるを得ません。とは言え，名手でさえもああなるのですから，人三馬七は良い塩梅なのでしょう…

個人的に騸馬のG1馬は，レガシーワールドやマーベラスクラウン等の騸馬となってから花開いた馬しか思い当たりません。ですから勝てないとは言え善戦を続けていた同馬の去勢は驚きでした。そしてむしろ騸馬となってから不調ですから，その非難・中傷は酷かったものと思われます。だからこそインタビューにて内田騎手があそこまで陣営の手腕を褒め称えたものだと思います。騸馬ですから当然の事ながら種牡馬入りは無く，これからひたすら走り続けなくてはならなくなります。けれども無理使いをしなければ息の長い競走生活を送れるのがダート路線ですので，10歳位迄は頑張って貰いたいものです。そして同馬の現在までに得た獲得賞金の10%程度に当たる3000万円もあれば，15年程度の余生は送れるはずです。稼いだ者に対してその程度の施しを行っても罰は当たらないでしょう。

テイエムジンソクは結局G1勝ちを逃しましたが，さすがにあのハイペースで残ってしまったらサイレンススズカ級です。距離は良いとしても小回りコースでコーナーの助けが必要なのでしょう。ただそうすると帝王賞・東京大賞典の2000mはペースを落とさないと2ターンでも厳しそうな感じです。